ラインアイコン

前橋 明氏

「工夫のできる子が育つ外あそびと、生活リズムを整えるコツ」

アイコン 子育て&教育全般 +

8月2日(月)、「工夫のできる子が育つ、外あそびと生活リズムを整えるコツ」と題し、早稲田大学教授の前橋明氏のご講演をZoom配信しました。
 長年、生活リズムや外遊びが子どもたちに及ぼす影響について研究されてきた前橋氏。まず、昼間に眠気を感じる子の割合が増えていることや、早寝早起きで10時間以上睡眠を摂った子と、睡眠が9時間未満の子では、握力値など昼間の活動力に大きな差が見られるといった研究成果を紹介。短時間睡眠の子には、注意集中が困難であったり、イライラしやすいといった特徴が多くみられるといいます。
 前橋氏は、睡眠リズムの乱れが午前中の活動力や自律神経機能の低下につながるため、幼児期であれば昼寝を除いて9.5時間〜10時間以上の睡眠時間の確保や、学校が始まる2時間前には起きることで、脳の働きが活発になると紹介。夜型の生活リズムを直すための4つのポイントとして、①朝、太陽の光を取り入れること②充分な量の朝食と、徒歩通園などで体温を上げる③夕方15〜16時にしっかり動く④夜にテレビやビデオの光を浴びすぎない、といったことが挙げられました。
 次に前橋氏は、30年前と比較すると幼児の身体活動量がおよそ4割近くまで落ち込んでいることや、幼児・小学生の放課後の遊びの1位をテレビやゲーム、お絵かきなど室内遊びが占めている現状を指摘。「体力が高まらないことで足が育たず、平均台を歩けない子もいる。画面越しの遊びだけでは距離感覚など空間認知能力も育たない」と懸念しました。前橋氏は歩く・投げる・平衡感覚・ぶら下がるといった「4つの基本運動スキル」を紹介し、「汗をかくくらい」まで遊ぶことが大事だといいます。また講演中は、室内でも気軽に始められる「親子ふれあい体操」の実演の様子も紹介されました。
 毎日の排便の有無によっても昼間の活動力が異なるなど、長年の実証結果を踏まえながら展開された本講演。「おうち時間が増えて外遊びが短時間になっている。今から改善しても遅いでしょうか?」といった質問に、前橋氏は「改善する年齢に遅いということはない。まずは歩くことが基本。最初は、買い物への散歩や徒歩通園からでもよい。一つでも始めてみて、まずは3ヶ月続けることが大事」と伝えるなど、健やかな子どもの育ちのために、出来ることから一歩ずつ取り組みたいと思える、有意義な時間となりました。


登壇者プロフィール
=========================
前橋 明氏(まえはし あきら)
医学博士/早稲田大学 人間科学学術院教授
米国ミズーリー大学大学院(修士)、岡山大学医学部(博士)卒業。米国ミズーリー大学客員研究員、米国バーモント大学客員教授などを経て、現職。インターナショナルすこやかキッズ支援ネットワーク代表、国際幼児体育学会会長、日本食育学術会議会頭。
幼児期の生活調査や体力・運動能力テストなどを体系的に実施、運動不足や夜型社会の中での子どもへの影響に警鐘を鳴らし、改善案について各地で幅広く啓発を行う。
主な著者に『3歳からの今どき『外あそび』育児』(主婦の友社)、『低年齢児~幼児とのふれあいあそび―手あそび&親子体操―』(ひかりのくに)『あそぶだけ!公園遊具で子どもの体力がグングンのびる!』ほか多数。



前橋 明氏
前橋明氏
前橋 明氏
前橋 明
前橋明
前橋 明


ロゴ2

子育て・教育の
プロフェッショナルから学ぶ
動画によるライブメッセージ

LINEの友達追加をしていただきますと
無料の新着動画や講演会情報をお届けします

ラインバナー