21世紀は、世界のどこかで起こった出来事が世界中に瞬時に影響を与える時代。駆け巡る情報は増える一方で、しかも刻々とアップデートされています。これからを生きる子どもたちにとって、世界の共通語である英語を”道具”として使えることは、生きる力のひとつです。
しかし、2019年にTOEFLを実施しているETSの統計データによれば、日本の4技能スコアはOECD加盟37カ国中最下位、アジア28カ国中26位など、残念な結果となっています。
日本の英語教育では「和訳」「単語の暗記」「文法の理解」など、インプットがメイン。文部科学省は「話す力・読む力・聞く力・書く力」の4技能を評価するために、2025年以降の大学入学共通テストで英語民間試験の導入を検討しましたが、経済的・地域的な格差の問題を解消できず、見送られることになってしまいました。
「英語ができるかどうかで、見える世界や選択肢の幅が変わってしまうなら、今の日本の英語教育を変えないと、僕みたいな悔しい思いをする人がもっと増えていってしまう。未来の子供たちが僕が感じたような英語力による劣等感や不平等さを感じることがなく、次の大きなチャレンジに向かっていけるようになってもらいたい」という思いから、「話す力・読む力・聞く力・書く力」の4技能を教える英語塾キャタルを三石 郷史氏は、創業されました。
今回は、「教育界のノーベル賞」と呼ばれるグローバルティーチャー賞（Global Teacher Prize）トップ10に選出された、立命館小学校教諭 正頭 英和氏と、10,000人の生徒にバイリンガルの英語習得法を教える英語塾キャタルの創業者 三石 郷史氏に「 訳さない！ 暗記しない！ 英語が好きになる新しい勉強法」というテーマで、お話いただきました。
登壇者プロフィール
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正頭 英和氏（しょうとう ひでかず）
立命館小学校 教諭/Global Teacher Prize 2019 Top10
大阪府出身。Minecraftを活用した授業が認められ、2019年のGlobal Teacher Prizeにおいて、世界150ヵ国以上、3万人のエントリーの中から、日本人小学校教員初となるTop10に選ばれ、「世界の優秀な教員10人」となる。全国の教員研修や企業と授業を一緒に作るなどの活動に取り組んでいる。主な著書に「世界トップティーチャーが教える 子どもの未来が変わる英語の教科書（講談社）」などがある。
三石 郷史氏（みついし さとし）
株式会社キャタル代表取締役社長
群馬県桐生市出身。1998年、慶應義塾大学経済学部卒業後、メリルリンチ証券会社に入社。2020年、マサチューセッツ工科大学大学院卒業。大学入学後に初めて帰国子女のバイリンガルという存在に出会い、彼らの英語力に衝撃を受け、自分の英語力にコンプレックスを抱く。大学在学中にスタンフォード大学に短期留学をするも自身の英語力の低さを思い知らされる結果に終わり、卒業後は外資系投資銀行で英語力のない自身のキャリアに行き詰まりを感じる。
これらの経験から、せめて自分が小さい時に帰国子女の存在を知っていればと強く思うようになり、次世代には同じような悔しい思いをさせたくないと考え、2002年に株式会社キャタルを設立。日本語を母国語としながらも英語を使いこなしているバイリンガルの英語習得法を子ども達に教える英語塾キャタルを創業し、現在では延べ10,000人の生徒が学ぶ規模に成長させる。
また、生徒たちに海外滞在歴がなくても世界に挑戦できることを示そうと、海外留学に挑戦。2017年にTOEFLで102点を取得し、マサチューセッツ工科大学大学院に合格。日米を行き来しながら、2020年に修士号を取得。
現在は都市部だけでなく、自身のように地方にいても質の高い英語の授業が受けられるような学習プラットフォームの構築に奔走する。
note やPodcastでも自身の意見を発信しています。
