3月2日（火）環境活動家 谷口 たかひさ氏による「より良い未来を作るための子どもの自己肯定感と気候変動のお話」と題した講演をZoom配信いたしました。
谷口氏は、2019年に気候危機の深刻さを目の当たりにし「みんなが知れば必ず変わる」をモットーに「地球を守ろう！」を立ち上げました。市民活動と講演活動を通し、気候変動とその生態系の危機の認識を広めており、訪れた国は60ヶ国以上に及びます。
まず、谷口氏は気候変動によって、今世界で何が起きているのかを述べました。豪雨によって多くの人が行方不明になっていることや、アマゾンやオーストラリアでの火災についても解説しました。火災は、牛のエサ（とうもろこしや大豆）を育てるために、人間がつけた火が原因のひとつになっていることに言及。さらに、牛がエサを食べると排出するメタンガスは温暖化に大きな影響を及ぼしていると述べました。そして、気候変動で最初に失うものは「自然」ではなく「平和」であることや、今後、海面の上昇によって領土や資源をめぐる争いが頻発化する恐れがあると説明しました。また、なぜこのようなことが起きているのかについては、「強欲」と「無関心」という意識の問題と「お金の仕組み」が原因であることを解説しました。
さらに、この現状をどうすれば変えられるのかについては、「ひとりひとりが環境について知り、行動を選ぶことで風向きは変わる。」としました。その行動は、良いことをプラスしていくよりも悪いことをマイナスしていく方が効率的で「足し算よりも引き算」としました。具体策として、1）ごみを減らす2）省エネをする3）公共交通機関を使う 4）肉（牛肉・乳製品・植物性油脂）を避ける 5）政府・企業・メディアに意思表示をする をあげました。特に、5）の政府・企業・メディアは、世論を気にして国民の反応に合わせて動くので、国民は投票や商品購入や視聴などで意思表示をすることが重要としました。
そして、日本の内閣府が世界の国々で行った自己肯定感調査の結果を示し、日本人の自己肯定感が諸外国に比べて著しく低いことを述べました。様々な国を訪れている谷口氏が感じているのは、日本では「自由と権利」を否定し「こうじゃないといけない。」「これはやってはいけない。」と自分をしばって生きている人が多いということ。特に母親にこの傾向が強いので、「母親はもっと好きに生きていい。その姿から社会がもっと明るく楽しくなる。」と提案しました。そして、自己肯定感を上げるためには「人と自分を比べない。」「自分で選ぶこと。」が大切であり、親としてはありのままの子どもの姿を受け入れることが重要と強調しました。
今回の谷口氏の講演では、世界中の生態系の危機や諸外国の市民活動やスピーチなどの多くの映像から、現在の世界の実態に気づくことができました。そして、世界は「意見」ではなく「行動」で変わること、自分の心に正直に生きる大切さを学べた有意義な時間となりました。
登壇者プロフィール
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谷口 たかひさ氏（たにぐち たかひさ）
環境活動家/実業家
1988年大阪生まれ。10代の時、日本の大学在学中に留学費用のためインターネットビジネスで起業し、イギリスへ留学。卒業後、チェーンストアのエリアマネージャー、アフリカのギニアでの学校設立、メガバンク／M&A／メディアのコンサルタント、グローバルIT企業の取締役を経験。プラスチック問題と、時間と共に価値が減る地域通貨に取り組むため、ドイツへ移住し、起業。2019年、ドイツで気候危機の深刻さを目の当たりにし、「みんなが知れば必ず変わる」をモットーに「地球を守ろう！」を立ち上げ、気候危機の発信や講演を開始。世界中から講演に呼ばれるようになり、日本では1年で515回、全都道府県での講演を達成。趣味は旅と勉強で、訪れた国は約60ヵ国、保有資格は国際資格や国家資格を含め40個。
地球を守ろう！ホームページ：http://chikyuwomamorou.com
ブログ：https://hontounikachinoarumonowa.com
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