12/10(火)、株式会社ガイアックス社員である木村 智浩氏を講師として、育児をロジカルに学ぶ「ロジカル育児ゼミ」。第二回となる今回は、ゲストとして、慶応義塾大学院システムデザイン・マネジメント研究科にて集中状態と言われる「フロー状態」を研究しておられる世羅 侑未氏をお招きし、「パフォーマンスが3倍になるフロー状態とモンテッソーリ教育」というテーマのもとトークセッションが行われました。(以下、敬称略)
最近スポーツやビジネス界で話題のフロー状態とは、どういったものなのでしょうか。「没頭して、我を忘れる時間。いつのまにか時が経っていたという状態」がフロー状態だと語られる世羅氏。フロー状態の脳においては、分析脳波と言われるβ波ではなく、直感や夢を“司る脳波といわれるθ波"が優位になるそう。「フローに入りたい5分程前」に好きで好きでついやってしまう事を行うことで、脳波をθ波優位のモードに切り替えやすいそうです。
パフォーマンス向上に繋がるというフロー状態ですが、子育てやモンテッソーリ教育とはどのように関係しているのでしょうか。木村氏によると、「モンテッソーリ教育では、集中現象は、敏感期(子ども自身が何かの機能を発達させようする期間)に適した活動において起こる」そうです。子どもの不思議な行動は、自分の特定の機能を発達させようとするからで、それに適した子育てをするためには、「子どもの自己教育力を信じる」ことが大切、と仰られました。さらにその後の「フロー現象と心の成長の関係は?」という木村氏からの問いに、世羅氏は「自分で心の平和を得ることができる点」と返答されました「私の親がすごく厳しかったので、すごい叱られ、すごい褒められました。それで親に褒められたくて行動するようになってしまったと思います。でも自分が子育てするなら、子どもをただ褒めるのではなく、『自分の気持ちとしてはどう思う?何が楽しかった?』と問いかけていきたい。」「自分の純粋な楽しさ、何かを知ろうとする純粋な好奇心(θ波)を応援していくこと。そういったフロー現象をを応援することで心の平和を自分で作れるようになると思います。」とモンテッソーリの自己教育力とフロー現象のもたらす共通点を「心の平和」という言葉で語られました。
今回のロジカル育児ゼミでは「評価ではなく、子どもを信じていくことの大切さを痛感した」といった感想が多く寄せられ、親が子ども達を信じ、子ども達自身の基準としてどう感じるのか、を問いかけていく姿勢の大切さを学ぶことができた回となりました。
登壇者プロフィール
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世羅 侑未氏(せら ゆみ)
プロノイア·グループ株式会社 CCO兼コンサルタント/慶應義塾大学システムデザイン·マネジメント研究科 研究員/Global Leadership Associate認定コーチ
プロノイア·グループ株式会社にて、企業の文化変革/組織開発コンサルティングに従事。慶應義塾大学院システムデザイン·マネジメント研究科(SDM)研究員として個人の創造力、直観力やパフォーマンスが最大化される「フロー状態」の研究を進める。人と組織の変容を体系化した成人発達理論を実践するGlobal Leadership Associates(US)のアソシエイトとしても籍を置きながら、アカデミアとビジネスの間·東西の知恵の間での社会貢献を志す。
2019年3月に「3倍のパフォーマンスを実現するフロー状態 魔法の集中術」を出版。共著に「The SAGE Handbook of Action Research」、和訳協力に「行動探求」がある。
木村 智浩氏(きむら ともひろ)
早稲田大学卒業後、ガイアックスにて、営業、新卒採用、広報IR、経営企画、事業立ち上げ(国内トップシェア獲得)等、幅広く経験。
現在は、人事・広報IRを担当しつつ、新しい働き方を実現するための組織づくりを推進。2016年には2カ月間、家族(妻・4人娘)で沖縄に短期移住し、自身もリモートワークを実践。「モンテッソーリ教師と語るオルタナティブ教育」はじめオルタナティブ教育、ウェルビーイングに関するイベントを多数開催。
4児のパパで、モンテッソーリ教育を学び、小学校ではPTA役員を務める。子どもたちはモンテッソーリスクール、山梨県南アルプス市の体験型学習中心の自由学校(学校教育法一条校、南アルプス子どもの村小中学校)に通う。国家資格キャリアコンサルタント。
木村 智浩氏
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木村 智浩
木村 智浩
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世羅 侑未氏
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