3月16日(火)高濱 正伸による「【シリーズ】これからの時代の子育て(9)男の子の国語力の伸ばし方」の講演会をZoom配信いたしました。
国語を苦手と感じる場面として、多くのお母さんがあげる読解力。文章を読んで「他者性(登場人物の気持ち)」を理解できるのは11歳以降であるとし、焦る必要はないと語りました。読書についても、18歳までのどこかで読書に没頭する期間があればいいので、小学生のうちに読書をしないからと心配をせず、読み聞かせや書店でのきっかけ作りを自然にできるとよいとしました。そして、語彙が豊富なことは、文章の読み書きの基礎になるので、コツコツと積み重ねる漢字練習や、知らない言葉に出会った時にすぐに調べてノートに書き留める癖をつけることを勧めました。
子どもの国語力の伸ばすためのよい生活習慣で一番大切なこととして、「言葉に厳しい家族文化・習慣」をあげたいと語りました。「ケンケンガクガクって何だよ。カンカンガクガク(侃々諤々)かケンケンゴーゴー(喧々囂々)のどちらかでしょう」「レストランの料理を運んできてくれた時の『ご注文はこちらになります』ではなく、『ご注文の品はこちらです』でしょう」というように、言葉遣いが気になるお父さんやお母さんであれば、間違ったその場ですぐに指摘します。それができている家族は、ごくごく自然にそうしていて、子どもも言葉についての感覚が育つと強調しました。
ふだんから単語や言い回しもおろそかにしない態度が身についた子どもは、「問題文」を読むときにも集中する力が育まれています。それは「精読力」そのもので、いわゆる文章題全般によい効果がありますから、国語はもちろん、算数や理科・社会など科目を問わず好影響が期待できます。文章題でない難問は存在しないので、全科目について学力が伸びていくと説明しました。
そのほか「作文が書けない時の声かけ」「子どもが国語に苦手意識をもってしまっている時の対応」「音読の効用」などを語り、アンケートには「高濱先生のピンポイントな講演会を知り、藁にもすがる気持ちで、固唾をのんで拝聴させていただきました! 男子あるあるの奥深い内容に、うんうんそうだよね、えー!そ〜なんだ〜!と、終始、うなづいたり、ゲラゲラ笑ったりして、側にいた子供に怪しまれていました(笑)耳に痛い内容もあり、反省材料や今後の参考にさせていただくお話も多数あり、本当に昨日は参加させていただき、ありがとうございました」などたくさんのご感想が寄せられました。
登壇者プロフィール
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高濱 正伸(たかはま まさのぶ)
花まる学習会 代表
1959年熊本県人吉市生まれ。県立熊本高校卒業後、東京大学へ入学。東京大学農学部卒、同大学院農学系研究科修士課程修了。算数オリンピック作問委員。2018年7月より、日本棋院理事。
1993年、「この国は自立できない大人を量産している」という問題意識から、「メシが食える大人に育てる」という理念のもと、「作文」「読書」「思考力」「野外体験」を主軸にすえた学習塾「花まる学習会」を設立。1995年には、小学校4年生から中学3年生を対象とした進学塾「スクールFC」を設立。チラシなし、口コミだけで、母親たちが場所探しから会員集めまでしてくれる形で広がり、当初20名だった会員数は、23年目で20000人を超す。また、同会が主催する野外体験企画であるサマースクールや雪国スクールは大変好評で、延べ50000人を引率した実績がある。 各地で精力的に行っている、保護者などを対象にした講演会の参加者は年間30000人を超え、毎回キャンセル待ちが出るほど盛況。なかには“追っかけママ”もいるほどの人気ぶり。 障がい児の学習指導や青年期の引きこもりなどの相談も一貫して受け続け、現在は独立した専門のNPO法人「子育て応援隊むぎぐみ」として運営している。 公立学校向けに、10年間さまざまな形での協力をしてきて、2015年4月からは、佐賀県武雄市で官民一体型学校「武雄花まる学園」の運営にかかわり、市内の公立小学校全11校に拡大されることが決定した。 ロングセラー『伸び続ける子が育つお母さんの習慣』ほか、『小3までに育てたい算数脳』『わが子を「メシが食える大人」に育てる』『算数脳パズルなぞぺー』など、著書多数。 「情熱大陸」「カンブリア宮殿」「ソロモン流」など、数多くのメディアに紹介されて大反響。週刊ダイヤモンドの連載を始め、朝日新聞土曜版「be」や雑誌「AERA with Kids」などに多数登場している。
高濱 正伸
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