12月16日(水)直井 亜紀氏による講演会「わが子に話したくなる お母さんのための性教育入門」をZoomにて配信いたしました。
まずは、性教育の現状について。ユネスコが発行する「国際セクシュアリティ教育ガイダンス」による年齢別学習目標によると、5〜8歳の時にはすでに精子と卵子が結合して赤ちゃんを伝えるのがスタンダードです。一方、日本では早期教育によって子どもが興味を持って性的な行為を急いでしまう恐れがあると考えるため、性教育後進国と言われていると伝えます。実際には、早期に丁寧に性教育を実施することで逆に性に対して慎重になるという研究結果が出ています。親としてはいつまでも清らかなままでいてほしいと願ってしまうものですが、思春期の子どもが性的なことに興味を持つのは、むしろとても健康なことであると訴えました。
今どきの子どもの性情報の入手方法は、友人や先輩の体験談、スマホのアダルトサイト、マスコミによる不倫や性暴力の事件など、不正確な情報が非常に多いとします。親が隠そうとすればするほど、子どもの正常な好奇心で、スマホやPCのフィルターや親の目をかいくぐって見るようになります。フィルターをかけることは否定しないが、フィルターをかけているから見ないというふうにはならないと直井氏。おすすめの方法は、性教育に関する漫画や書籍を、堂々とリビングに置いておくこと。子どもの性に関する質問に対して、この本に書いてあるよと答えることができるのが良いとしました。あわせて幼児〜小学校低学年や小学校高学年と、年齢別におすすめの漫画や書籍を紹介しました。
最後に、家庭でしか伝えられない性教育とは何か。それは「生まれてきてくれてありがとう」と子どもに伝えること。大切なのはスマホの制限などの物理的なフィルターではなく、心のフィルターだと訴えました。「子どもがお腹の中にいた時にどのように動いていたのか」「生まれてからどんな寝顔を寝ていたのか」などは、親にしかわからないこと。どのように子どものことを想っていたかということをエピソードとともに伝えることで、子どもが自然と自分自身のからだを大切にしようと思えるようになると言います。寄せられた具体的な質問に丁寧にお答えいただき、直井氏の想いあふれるお話に心動かされる講演会となりました。
登壇者プロフィール
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直井 亜紀氏(なおい あき)
助産師/一般社団法人べビケア推進協会代表理事
第39回母子保健奨励賞・令和元年内閣府特命担当大臣表彰受賞。埼玉・東京・千葉県などを中心に小中高校生へのいのちや性の講演実績、企業や専門職セミナー実績多数あり。音楽活動として、CD「あかちゃんのうた」発案・歌手を務める。書籍「お母さんのための性教育入門」を9月23日に発売。
直井 亜紀氏
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直井 亜紀
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