12月10日(木)戸塚 真理奈氏による講演会「子どもの本領発揮は、大人の『ありのまま』と『ご自愛』から〜子どもの感情知性(EQ)を伸ばす、家庭でのマインドフルネス〜」をZoomにて配信いたしました。
まず講演会のテーマである、マインドフルネスとEQはそもそも何か。マインドフルネスとは「いま」を感じて生きること。今、この瞬間の自分の内側にある気持ちや、周囲の家族/同僚/友人の気持ちや優しさに気づいて、感謝をして幸せに生きていくことだとします。続いてEQについて。EQは日本語では感情知性と訳され、自分自身の感情に気づいてそれと付き合っていくことだとします。自分の感情を認識できている、怒りや不安を調整しようと試みることができている、最優先や最重要を判断できる状態が、EQが高い状態です。アメリカやイギリスの政府系機関やNPO法人などでは研究や実践が進んで社会に広まっている一方で、なかなか日本では認知が広まっていない状況を伝えます。
次に「子どもの本領発揮はどのようにしたらできるのか?」についての解説。その答えは、子どもが安心していること。科学的な表現では「心理的安全性があること」だと伝えます。具体的には、自分が話をしたときに、話を聞いてもらえる、否定されない、辛いという気持ちをただただ聞いてもらえるという実感を持てていること。Googleが社内で業績が良いチームの研究をした結果、一人ひとりが最大限力を発揮できた要因は、学歴や職歴よりも、心理的安全性にあったこと紹介します。仕事がうまくいっている時ではなく、チームがギリギリの状況にあるときに自身の新しいアイデアや失敗が受け止めてもらえるという感覚こそが大切。さらに、「ほめて伸ばす」という子育ての考え方に対して、ほめてもらえる状態よりも、むしろ辛かったり緊張した状態で子どもが親に無条件に認めてもらえていると実感できることこそが大切だと訴えました。
最後に、子どものために家庭で心理的安全性を育むためには、親自身がリラックスして感じることを大切にする、ありのままの自分が大好き、ご自愛できていることが、最も重要であると伝えます。そしてご自愛をするための3ステップとして、①ありのままの状況に気づいていくこと、②「私は人間。失敗することだってある」と思える、③自分に優しくすること、をあげます。さらに複数のワークを使って、ご自愛のトレーニングを実施しました。
体を使ったワークや内面の気持ちを書き出すワークなど、ただ聞くだけでなくアウトプットが多くなった今回の講演会。チャット欄にはご参加の方から、「自分の気持ちを見つめ直すことができた」「自分に優しくなれた」「リラックスすることができた」「自分の頑張りを振り返って涙がでてきた」などたくさんの前向きになることができたコメントが寄せられた実りある講演会となりました。
登壇者プロフィール
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戸塚 真理奈氏(とつか まりな)
一般社団法人heARTfulness for living協会代表理事/こころの幸せ教育研究・実践者
外資系投資銀行やIT企業等を経て、2015年よりマインドフルネスとEQ(感情知性)を礎とした、子どもと大人(保護者・ 教師)の安心感や自己肯定感、 自他への思いやりを培い生きる力を高める教育・研修プログラムの開発と実践、世界の最新教育の研究を行う。怒りや不安の感情を調整するためのワークを子どもたちが自主的に行うなど、実生活に根付く指導法に定評がある。他にも幸福学研究者の前野 マドカ氏とママ向け夜間講座「マドカとマリナのママウェビナー」を開催するなど、 広く学びの場を届けている。Googleが設計した「Search Inside Yourself」認定講師。今年7月に初の著書「感情の知性(EQ)を伸ばす 学校と家庭でマインドフルネス!1分からこころの幸せ・ 安心を育む63のワーク」(学事出版)を上梓したばかり。
戸塚 真理奈氏
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戸塚 真理奈
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