12/4(水)、「ゴードン博士のコミュニケーション『親業』でイライラ子育てさようなら〜反抗期を成長と自立に変える極意〜」と題して、親業訓練協会シニアインストラクターであり、絵本作家の瀬川 文子氏にご講演いただきました。(以下、敬称略)
「親業」とは、アメリカの臨床心理学者であるトマス・ゴードン博士が考案した、あらゆる人間関係に効果的なコミュニケーションメソッドのこと。今回は、「聞く」「話す」「対立を解く」という三本柱を軸に、体験を通して双方向のコミュニケーションを行うための方法を身に着けるプログラムをご紹介いただきました。
まずは「聞く」。例えば「マラソン大会に行きたくない!」という子どもに対して、「しっかり走りなさい!」「行くべきでしょ」などと言うのは、例え愛情ゆえのことであっても、子どもには「受け入れてもらえていない」というメッセージになってしまうのだそう。瀬川さんは、双方向のコミュニケーションにするためには、しっかりと目を見て相槌を打つ、促すなどの受動的な聞き方に加え、「マラソン大会が嫌なんだね」と繰り返したり、気持ちをくんであげたりといった能動的な聞き方で受け止めることが大切だと語られました。
また、子どもの行動を受け入れられない場面では、しっかり「話す」ことが大切とのこと。その際、「だらしない」などの『あなた』が主語の伝え方ではなく、「わたしが」、「どんな行動に」「どんな影響を受けて」「どんな感情なのか」という構成の『わたしメッセージ』で伝えることが大切だそうです。また、そうした土台の上での親子の「対立を解く」方法に関しても、実際の事例を用いて解説していただきました。
実践的な内容にふさわしく、様々なワークで双方向のコミュニケーションを体験できた今回の講演会。日常のふとしたコミュニケーションを顧みる貴重な機会となり、改善の具体的な方法について体験を通じてしっかりとつかむことのできる講演会でした。
登壇者プロフィール
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瀬川 文子氏(せがわふみこ)
ゴードン博士のコミュニケーション「親業」シニアインストラクター
1973年日本航空客室乗務員として入社し、14年間国際線勤務後、結婚のために退社。子育てをする傍ら、米国のコミュニケーション訓練のプログラム「P.E.T.親業」の指導員資格を取得。お互いが分かり合えるコミュニケーションの大切さを、講演、研修、著作で伝えることをライフワークとして活躍中。家庭教育も企業人教育も基本は分かり合える信頼関係がポイント。子育て支援から企業研修まで幅広い視点で、コミュニケーションの極意を楽しく、分かりやすく、参加型の講演スタイルで伝授。企業の安全大会の講師としても活躍。2010年より親業訓練協会・企画室主任としてインストラクター養成を担当。2015年には日本アンガ―マネジメント協会のファシリテーター資格取得。
著書
『職場に活かすベストコミュニケーション』 日本規格協会
『あっ、こう言えばいいのかゴードン博士の親になるための16の方法』 合同出版
『ママがおこるとかなしいの』 金の星社
『ファミリーレッスン』 合同出版
『聞く、話す あなたの心、わたしの気もち』 元就出版社
『ほのぼの母業のびのび父業』 元就出版社
瀬川 文子氏
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瀬川 文子
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