7月30 日(木)「アドラー心理学に学ぶ 子どもを勇気づける親・子どもの勇気をくじく親」と題して、株式会社子育て支援 代表取締役/ボン・ヴォヤージュ有栖川 代表 熊野 英一氏によるZoomライブ配信講演会を開催いたしました。
熊野氏は、アドラー心理学に基づく「相互尊敬・相互信頼」のコミュニケーションを伝える〈親と上司の勇気づけ〉のプロフェッショナル。日本アドラー心理学会正会員で、多数の講演や「日経DUAL」「朝日おとうさん新聞」のコラムも好評です。執約60の保育施設立ち上げ・運営、ベビーシッター事業をされてきた保育のプロでもあります。
冒頭、日本財団による「18歳意識調査 第20回:社会に対する意識調査」の結果を掲示。日本の18歳が他国の若者たちに比べて、社会に対しての責任や意識が希薄であることが如実に表れていることが読み取れます。熊野氏は、日本の若者が幼稚である事実がなぜ起きているのかについて、学校以外の社会とのつながりを持つ時間が極端に少ないことが理由だと語りました。
「子どもが勉強をしない」「子どもが朝起きない」などから起きる親の心配やイライラについて、子どもの行動は「子どもの課題」であり、不安になって心配したり、短気でイライラしてしまう親の気持ちは「親の課題」というように分けて考えることが大切だと強調。
子どもの行動の改善には、まずは信頼関係を築くこと。親子といえども、子どもの気持ちに土足で入り込むようなことはマナー違反と訴えました。子どもの課題について、いっしょに解決する方法を考えていくのはどうか?という問いかけをしてから、共同の課題として、親子で取り組むのがよいとしました。そして同時に、親側は、「あなたのせいでわたしがイライラする」というような他責な姿勢や言い訳をせずに見守り、子どもの気持ちにまず共感してほしいと語りました。
「共感は、同意とは、まったく異なるもの」。あなたは、そう思っているんだねと、子どもの気持ちを感じてみることのみが共感であり、それについて賛成する必要はないと熊野氏が語ると、参加者の間に安堵の表情が浮かんだのが印象的でした。
参加者からの「親は子どもに期待を抱いてはいけないのか? 期待を捨てるべきか?」という質問に、熊野氏は、「子どもが決めたことを尊重すべきではあるが、親として期待を手放せないのは仕方がないことで、それを親側の課題と自覚して、子育て以外の自分自身の生き方や夢にも目を向けていこうという姿勢になることが大切だ」と答えました。ゲームをやめられない子どもと親のやりとりの公開ロールプレイもあり、参加者の納得された明るい表情になる場面の多い講演会となりました。
登壇者プロフィール
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熊野 英一氏(くまの えいいち)
株式会社子育て支援 代表取締役/ボン・ヴォヤージュ有栖川 代表
アドラー心理学に基づく「相互尊敬・相互信頼」のコミュニケーションを伝える〈親と上司の勇気づけ〉のプロフェッショナル。全国での多数の講演や、「日経DUAL」「朝日おとうさん新聞」などでのコラム執筆、「アドラー子育て・親育てシリーズ」の刊行等を通して活発な情報発信も行う。日本アドラー心理学会 正会員。1972年フランス・パリ生まれ。早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。メルセデス・ベンツ日本にて人事部門に勤務後、米国Indiana University Kelley School of Businessに留学(MBA/経営学修士)。製薬企業イーライ・リリー米国本社および日本法人を経て、保育サービスの株式会社コティに統括部長として入社。約60の保育施設立ち上げ・運営、ベビーシッター事業に従事。2007年、株式会社子育て支援を創業、代表取締役に就任。2012年、日本初の本格的ペアレンティング・サロン「bon voyage 有栖川」をオープンし、自らも講師として<ほめない・叱らない!アドラー式の勇気づけ子育て>を広めている。
熊野 英一氏
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熊野 英一
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