6月28日(日)「【シリーズ】これからの時代の子育て(3)働くお母さんの子どもを伸ばす育て方」と題して、花まる学習会代表 高濱 正伸によるZoomライブ配信講演会を開催いたしました。
高度成長期の昭和の時代には専業主婦が多く、子育てについて、日々「ご近所さん」というコミュニティで支えあうことができていました。父親は外で働き、家のことは妻に任せるのが当たり前であった時代と異なり、令和の現在は、多くの働くお母さんが子育ての家事と仕事という責任のある仕事に押しつぶされそうになっています。しかし、子どもにとって、何よりも大切なのは、お母さんのニコニコの笑顔と高濱。働くお母さんが、その「ニコニコ」になるための秘訣を語りました。
わが子を守ろうとする、こんこんと湧き上がるわが子への心配を共有してくれる仲間を確保すること。夫、職場や地域の気の合うママ友、自分の母親など、身近に日々の小さな子育ての悩みを聞いて、相談にのってくれる人がいることで心の安定がはかられ、孤独な育児から解放されると説明しました。
次に、仕事をすることで子どもとの時間に制約があり、子どもに寂しい思いをさせているという罪悪感に苦しむお母さんへの処方箋。1日5分「子どもをひとりづつ抱きしめて、話をきく」というのを日課にという具体的なアドバイスをしました。兄弟が3人いても15分。これまでにこの処方箋で功を奏した実例をもとに「子どもは、その5分で残りの23時間55分をがんばれる生きものだ」と強調しました。
また、忙しさや疲れから、食事作りがとても大変だという声に対しては、「無理をしなくていい。できる範囲で、笑顔で食べられれば、買ってきたものでも充分」としたうえで、「簡単なものでもお母さんの味があるとよいですね」と続け、高濱自身「母がにぎりたてに海苔をまいて手渡してくれた、おにぎりはおいしかった」と、はにかみながら語りました。
最後に、「働きながら子育てをお母さんたちは、新しい時代の開拓者。自分の方向性をもってがんばっているお母さんは、充実した顔をしている。その姿こそ子どもにはいちばんだ!」と熱いエールを送って、締めくくりました。
登壇者プロフィール
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高濱 正伸(たかはま まさのぶ)
1959年熊本県人吉市生まれ。
県立熊本高校卒業後、東京大学へ入学。
東京大学農学部卒、同大学院農学系研究科修士課程修了。
花まる学習会代表、NPO法人子育て応援隊むぎぐみ理事長。
算数オリンピック作問委員。日本棋院理事。
1993年、「この国は自立できない大人を量産している」という問題意識から、「メシが食える大人に育てる」という理念のもと、「作文」「読書」「思考力」「野外体験」を主軸にすえた学習塾「花まる学習会」を設立。1995年には、小学校4年生から中学3年生を対象とした進学塾「スクールFC」を設立。チラシなし、口コミだけで、母親たちが場所探しから会員集めまでしてくれる形で広がり、当初20名だった会員数は、23年目で20000人を超す。また、同会が主催する野外体験企画であるサマースクールや雪国スクールは大変好評で、年間約10000人を引率。
各地で精力的に行っている、保護者などを対象にした講演会の参加者は年間30000人を超え、なかには“追っかけママ”もいるほどの人気ぶり。
障がい児の学習指導や青年期の引きこもりなどの相談も一貫して受け続け、現在は独立した専門のNPO法人「子育て応援隊むぎぐみ」として運営している。
公立学校向けに、10年間さまざまな形での協力をしてきて、2015年4月からは、佐賀県武雄市で官民一体型学校「武雄花まる学園」の運営にかかわり、市内の公立小学校全11校に拡大されることが決定した。
ロングセラー『伸び続ける子が育つお母さんの習慣』ほか、『小3までに育てたい算数脳』『わが子を「メシが食える大人」に育てる』『算数脳パズルなぞぺ~』シリーズ、『メシが食える大人になる!よのなかルールブック』など、著書多数。関連書籍は200冊、総発行部数は約300万部。
「情熱大陸」「カンブリア宮殿」「ソロモン流」など、数多くのメディアに紹介されて大反響。週刊ダイヤモンドの連載を始め、朝日新聞土曜版「be」や雑誌「AERA with Kids」などに多数登場している。
ニュース共有サービス「NewsPicks」のプロピッカー、NHKラジオ第一「らじるラボ」の【どうしたの?~木曜相談室~】コーナーで第2木曜日の相談員を務める。
高濱 正伸
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