12月5日(月)「放送作家に学ぶ!10歳からの考える力と読み解く力の育て方」と題し、放送作家 石原 健次氏とイデア国語教室 主宰 久松 由里氏の対談をZoom配信いたしました。
石原氏の著作「10歳からの考える力が育つ20の物語ー童話探偵ブルースの『ちょっとちがう』読み解き方」は、なじみ深い童話も、視点を変えて読むと新しいストーリーが見えてくると話題です。石原氏は「有名な『アリとキリギリス』では、真面目に働かないキリギリスが悪者扱いされるけれど、これからの時代、好きなことをやって生業になることもある。物語の受け取り方は時代に合わせて変えなければいけない。」と多面的な視点を養うことの大切さを語りました。
次に対談では、芸人からスタートし、現在は放送作家として活躍する石原氏のキャリアを振り返りながら、書く力・考える力を養うヒントを探りました。「子どもに書くことを好きにさせるきっかけを作るには?」という問いに石原氏は、「まずは、いい作品を読んで『自分も書きたい』と触発されるのを待つこと。あとは、短くてもいいから、最後まで書き終える習慣をつけさせることが大事。誤字や文章表現の間違いは気にしすぎないで大丈夫。」と述べ、最後まで書く習慣をつけることで、文章力は自然に育っていくと語りました。
報道記者としてのキャリアを持ち、現在は国語教育に携わる久松氏も「書き終える大切さ」に深く賛同。「子どもが書いた作品を清書させて、絵をつけて製本すると自信が深まったりもする。コンクールに出してみるのもよい。」と成果を目に見える形で残してあげる大切さを伝えました。
また、子どもにとって、生きていく上で「気付いて・考えて・行動する」の3つが大事だと語った石原氏。「選択したことの責任を取らせること。選んだ結果、合わなければ変えればいい。好きなことが見つかるまで慌てずに、知識や人脈、経験を貯めておけば必ず役に立つ。親も失敗する背中をどんどん見せてあげて。」と言いました。
久松氏も「子どもを待つのは大変なことだが、程よいプレッシャーを掛けつつ信じることが大切。」と述べ、日頃の経験や家庭での会話が、長期的に子どもの読解力につながっていくと伝えました。
メディアの制作現場で「俯瞰して読み解く力」を培ったという両氏の話に、書く力を育てることは、子どもの自己肯定感や生きる力を育むことにつながるのだと実感できる、有意義な時間となりました。
登壇者プロフィール
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石原 健次氏(いしはら けんじ)
放送作家
1969年生まれ。兵庫県神戸市出身。元お笑いトリオ「インパクト」のメンバー。解散後に放送作家となり『SMAP×SMAP』(フジテレビ)『行列のできる法律相談所』『人生が変わる1分間の深イイ話』(ともに日本テレビ)など、数々の人気番組を手掛ける。2021年10月に初著作となる児童書「10歳からの 考える力が育つ20の物語 童話探偵ブルースの『ちょっとちがう』読み解き方」を上梓。「正義の反対は、もうひとつの正義」をテーマに、童話探偵ブルースが“童話に隠されたもうひとつのストーリー”を読み解く展開が話題となり、現在5万部突破のベストセラーに。
久松 由理氏(ひさまつ ゆり)
イデア国語教室主宰
高校時代、全国模試で国語1位をとり、恩師から「国語のプロになれ」と言われる。立教大学法学部在学中、TBSのドラマ全盛期を支えた演出家、故・大山勝美氏主宰のマスコミ人養成所「メディア・ワークショップ」にて、文章表現技術を学ぶ。テレビ高知報道記者、ディレクターを経て、制作会社に勤務。放送作家として多数のプレゼンテーション、番組制作を手がける。
2010年、若者の国語力が年々低下していくことに危機感を抱き、高知県高知市に「読書と作文」を個人指導する教室を開く。ほどなく、国語の偏差値40〜50台の生徒たちが60〜70台に躍進しはじめ、開成中、久留米大学附設中、神戸女学院中、ラ・サール中など、名だたる難関校に続々と合格するようになる。2021年度入試では、国立大学医学部総合型選抜で合格率100%。慶應義塾大学AO入試の合格率も開室以来100%と驚異の合格率を誇る。6人分の机しかない小さな教室から、この2年間で、全国テスト国語1位を3名輩出している。2022年春、東京・三田に新教室開設。著書に「国語の成績は観察力で必ず伸びる」がある。
石原 健次氏
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石原 健次
石原 健次
石原健次
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久松 由理氏
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久松 由理
久松由理
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