7月9日(土)スクールFC平沼 純による「公立中高一貫校という選択~私立にはない魅力がいっぱい!公立中高一貫校をおススメする理由~」と題した講演をZoom配信いたしました。
高校入試がなく6年間一貫した教育体系で学習ができる、私立に比べて教育費を安く抑えられる…等、大人気の公立中高一貫校。2022年の入試(都内)では平均受検倍率は4倍を超え、中には約6倍の学校もありました。平成11年に宮崎県、三重県、岡山県に中高一貫教育校が設置されたことを始めとし、東京都内では現在までに11校が開校、2021年以降にも5校の都立高校が中等教育学校へ改変予定です。愛知県にも数年後に公立中高一貫校が設置されると発表があったばかりです。そんな公立中高一貫校の入試の概要や受検準備、求められる力について、摸試の問題作成も担当する専門家の平沼が語りました。
選抜方法は、主に小学校5,6年時の各教科の成績が評価される「報告書」と主に2月3日に行われる「適性検査」があります。
「報告書」は、都内では約20~30%の点数配分となっていると語りました。国語、算数、理科、社会だけではなく音楽や家庭科なども報告書に直結するので、学校で教わった内容を理解し「わからないことをそのままにしない」ことが大切と解説しました。
一方の「適正検査」は、作文系問題、算数・理科・社会を複合された問題が出され、面接やグループワークがある学校もあります。「知識量」「演習量」が求められる私立は対策が立てやすいが、「思考力」「表現力」「人間力」などの幅広い力が求められる公立中高一貫校の試験は対策が立てにくい。そのため、日々の生活の中での「生きた学び」が必要になると説明しました。具体的には、新聞・ニュースから学ぶ、何にでも「問い」を立てる、訪問した土地や施設で学ぶなどを挙げました。さらに、料理をテーマにした問題やご当地ネタは頻出問題であることから、お手伝いや地域の行事への参加、書籍を参考にして街を歩くことも提案しました。
適正検査に必要な力として、「各科目の基礎力」「資料をすばやく、正確に読み解く力」「筋道を立てて考える力」などを挙げ、解答に必要な情報を見抜く判断力や時間管理能力が重要であることを説明しました。また、私立と公立中高一貫校を受験した6名の生徒達、彼らが受検を終えてから書いた作文を朗読し、受検パターンや受検を通して子どもたちが得た気づきを紹介しました。
公立中高一貫校に求められている人物像を「赤毛のアン」「飛ぶ教室」などの有名な児童文学で描かれる主人公と共通すると解釈し、武者小路実篤の作品も紹介しながら、「日々、進むこと」「いい学校に入るより、いい人間になること」の大切さを最後に伝え、読書家の平沼らしい講演を聞けた有意義な時間となりました。
登壇者プロフィール
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平沼 純(ひらぬま じゅん)
スクールFC用賀校で国語授業や公立一貫コース授業のほか、総合的な学習の時間である「合科授業」などを担当。模擬試験の問題作成などにも携わる。公立一貫受検では、担当した8年の間に4度の合格率50%を達成するなど、多数の受検生を合格へと導いてきた。子どもたちの世界観が広がる、知的躍動にあふれる授業を展開。各種メディアで紹介されている『子どもを本好きにする10の秘訣』(実務教育出版)『マンガでわかる! 10才までに知っておきたい名作120』(永岡書店)のほか、書籍、雑誌、インターネット記事などを多数執筆。オンライン書店「honto」ブックキュレーター。読書をテーマにした講演会も精力的に行っており、本を読む楽しさ、物語を味わう大切さを訴え続けている。
平沼 純
平沼純
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平沼 純氏
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