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加藤 紀子氏 × 井上 志音氏

「子育てベスト100対談第9回 これからを生きる子どもたちに必要な国語力とは?」

こちらの動画は、開始より05分00秒間どなたでもご視聴いただけます。

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*冒頭、音声の乱れでお聞き苦しい箇所がございます。あらかじめご了承ください。
 3月15日(火)加藤 紀子氏 × 井上 志音氏による「子育てベスト100対談第9回 これからを生きる子どもたちに必要な国語力とは?」と題した対談を Zoom 配信しました。
 シリーズ9回目となる今回は、灘中学校・高等学校で国語を教えるとともに、日本IB教育学会の理事をつとめ務め、総合的な探究教育の研究・実践の活動もされている井上氏をお迎えし、国語教育の現状や、家庭でできる国語力の育み方についてお話を伺いました。
 冒頭、加藤氏は、近年では国語で「思考力・判断力・表現力」を問う問題が増えてきており、形式も複数の図表から読み解くものや長文化など、親世代の受験問題とは傾向が変化してきていることについて言及。家庭でできるサポートとして、子どもが本好きになるコツや、日本の学校教育で習う機会が少ない作文の練習方法について解説されました。
 次に井上氏が、2022年4月から改訂する高校の新しい学習指導要領について、読書や語彙指導の充実のほか、実社会との関わりや「探究学習との関連」が特徴で、他科目との横断的な学びが求められてくると説明。SDGs、STE AM教育など新しい評価基準も登場し、教師自身も手探りで新時代の学びを進める中で、井上氏が取り入れているのが、国際的な教育プログラムであるバカロレア(IB)とのこと。「思考・コミュニケーション・社会性・自己管理・リサーチ」のスキルが学習のアプローチ方法として重要視されているバカロレアの概要についても、分かりやすく紹介されました。
 後半では、よくある国語に関するお悩みについて井上氏が回答。「『読解力の磨き方』について、例えば、入試問題での文学の読解であれば、直前や直後の文脈から回答してしまう子が多いが、問題全体を俯瞰的に見て、ロジカルに経緯や人間関係から読み取る力が求められる。家族で同じ小説や絵本や詩を読み、批評会をすると異なる視点が学べて良い。」と説明されました。また、記述問題については「要約と心情説明の問題とに分けて対策が必要」と述べた井上氏。特に要約の練習は大事で、学校でもよくフローチャートを用いながら要約に取り組むとのことで、「どの段落のどの部分を入れ込むのが良いか、字数を変えながら親子で考えていくのが効果的」と語り、「近年の共通テストを含め、何より求められているのは、スピード感。文中の主張をまとめながら読む練習を少しずつ時間を区切ってする必要がある」と伝えました。
 そのほか問題集や本の選び方について「子どもが好きそうな分野から、ちょっと背伸びした内容のものを並べて、少しずつ興味関心広げていくことが大事」と伝えるなど、日々の積み重ねでじんわりと伸びていく国語力の育て方について、現場での指導方法にも触れながら回答した井上氏。「学校と家庭教育は表裏一体」とも述べられ、親も正しい読み方をすぐに教えるのではなく、子ども自身で正解にたどり着けるよう、長期的な視点での問いかけやサポートが必要なのだと実感できる時間となりました。
 
登壇者プロフィール
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加藤 紀子氏(かとう のりこ)
教育ライター1973年京都市生まれ。1996年東京大学経済学部卒業。国際電信電話(現KDDI)に入社。その後、渡米。帰国後は中学受験、子どものメンタル、子どもの英語教育、海外大学進学、国際バカロレア等、教育分野を中心に「プレジデントFamily」「ReseMom(リセマム)」「NewsPicks」「ダイヤモンドオンライン」などさまざまなメディアで旺盛な取材、執筆を続けている。一男一女の母。このたび、『子育てベスト100』を上梓。高濱 正伸が「画期的な1冊が誕生した。長年の取材で得た情報を、親としての『これは使えるな!』という実感でふるいにかけ、学術研究の裏付けやデータなども確認した上でまとめあげた力作である」と評して話題となっている。

井上 志音氏(いのうえ しおん)
灘中学校・灘高等学校 国語科教諭1979年奈良市生まれ。神戸大学大学院国際協力研究科 博士後期課程単位取得退学。文学修士(学校教育学)。洛南中高、関西学院千里国際中高でのキャリアを経て、2013年より現職。現在、灘中高で幅広い学年を対象に現代文・古文・漢文を指導しているほか、学外においても非常勤講師として「国語科教育論(神戸大学)」「IB教育の理論と実践(立命館大学大学院教職研究科)」を担当している。専門は国際バカロレア(IB)教育をふまえた教科教育学で、IB試験官および日本IB教育学会の理事も務める。また、国語科教育関連では、高校国語科教科書(東京書籍)の編集委員のほか、2022年度スタートの「NHK高校講座 現代の国語」(Eテレ)では番組委員(監修・講師)も兼任している。著書に『「知の理論」をひもとくーUNPACKING TOKー』(共著 ふくろう出版)『メディア・リテラシー:吟味思考を育む』(分担執筆 時事通信社)などがある。
 
 

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