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武田 信子氏

「教育熱心さはと虐待になるの? 子どもが健やかに育つために親ができること」

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 1月26日(水)「教育熱心さは虐待になるの? 子どもが健やかに育つために親ができること」と題し、ベストセラー「やりすぎ教育」の著者で、日本の子どもたちを取り巻く教育環境に警鐘を鳴らした氏臨床心理士 武田 信子氏のご講演をZoom配信致しました。
 まず武田氏は、不登校が20万人、小中高生の自殺者が年間約500人いる日本の現状にふれ、「世界的に見ても不登校という現象は日本だけ。自由を奪われ、虐待を受けているのと同じ身体状態を呈している子も多い。」と指摘しました。武田氏は、過度な親や社会全体の「より良く育てなければ」というプレッシャーから子どもが「商品」のように仕上げられ、追い詰められることで「教育虐待」につながっていると説明。「世界を見渡せば評価や宿題がなかったり、異学年合同授業など、日本と全く違う取り組みがされていたりしている。日本の社会全体の価値観を問い直し、予防していきましょう。」と伝えた。
 後半では、参加者からの事前質問に回答。「子どものためを思うと、勉強させることや、より良い教育環境を目指すことをやめられない。子どもの健やかな成長を見守るためにすべきことは?」という質問に対して武田氏は、「学ばせることや、より良い教育環境を目指すこと自体は悪いことでは全くない。ただ、学ばせるのと“勉強させる”ことは違う。それぞれの年齢や発達に合わせて学べるよう、単に暗記させるのではなく、生活や体験と繋げて教えることが必要。幼児期にたくさん失敗させてあげることも大事。」と伝えました。
 また、「中学受験する子が多く、窮屈になりがちな都市生活の子育てで、気を付けることは?」という質問には、「受験も塾も、選択するのはその人自身。そもそもみんなと同じことをしなければならないのか?」と問い直してほしい。その上で、勉強が出来るかどうかは乳幼児期に脳の基盤ができているのかによる。早くから詰み込みすればいいというのは幻想。好奇心や主体性を阻害せず、自由を保証してあげましょう。」と語りました。
 そのほか、「多くの習い事をさせてきたが、親の期待はエゴか?」「進学校に通うことや、スポーツや音楽で成果を求めることはよくないのか?」といった質問にも回答。さらに、遊び方を知らない子どもが増えている現状や、「やりすぎ教育をしない親になるための6つのポイント」などを説明し、「親が多少ダラダラしているぐらいの方が子どもは救われることもある。やりすぎかな?と思ったら都度振り返り、子どもの声をたくさん聴いてあげましょう。」と伝えた武田氏。人生100年時代と言われる社会で、長期的なスパンで子どもを育む必要性が感じられる、学びの多い時間となりました。

登壇者プロフィール
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武田 信子氏(たけだ のぶこ)
臨床心理士/一般社団法人ジェイス代表理事/元武蔵大学人文学部教授。
臨床心理学、教師教育学を専門とし、長年、子どもの養育環境の改善に取り組む。東京大学大学院教育学研究科満期退学。トロント大学、アムステルダム自由大学大学院で客員教授、東京大学等で非常勤講師を歴任。著書『社会で子どもを育てる』(平凡社新書)編著『教育相談』(学文社)、共編著『子ども家庭福祉の世界』(有斐閣アルマ)、『教員のためのリフレクション・ワークブック』(学事出版)監訳『ダイレクト・ソーシャルワークハンドブック』(明石書店)など。


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