3/2(日)、「これからの時代に必要な『国語』の力をどう伸ばすか」と題し、花まる学習会・スクールFC教務部部長 仁木 耕平の講演会を開催しました。
昨今の「国語」をめぐる話題として、2017年に発表された「新学習指導要領」より、高校の国語に「論理国語」ができたことを、冒頭にお話されました。「論理国語」はどういうものなのか?「大学入学共通テスト」の試行調査によれば、駐車場の契約書、生徒会規約、著作権法の抜粋など、情緒が不要な文章を正確に読めるかを問う出題で、論理的に文章を解釈し、誤解なく理解できる能力を重視するようになったことがわかります。
しかし、人がどうやって「書かれていること」を理解するのか?を研究していくと、①知っている単語の意味 ②行間を補うための常識 ③同じ文化を生きる人同士が連想しあえる感情 などが相互的に作用することであり、文字面だけの論理的な整合性だけで理解していないと結論づけられています。
子どもたちが、これからの時代を豊かに生きていくために必要な「ことば」を獲得するためには、社会に出たときに、相手に自分の思いを伝える「ことば」をもっているか?相手の気持ちを感じながら、コミュニケーションする表現をもっているかが重要です。
そのために親として、日々のなかでできることを具体的にお話くださいました。質疑応答では「読書中に読めない漢字が出てくるのがイヤで読書が続かない子への対応法」「素直な自分の気持ちではなく、カッコつけたことしか作文に書けない子への声のかけ方」など、リアルな悩みへのアドバイスも。「ことばの力」が生きる力の大事な要素であることが、深く理解できる講演でした。
登壇者プロフィール
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仁木 耕平(にき こうへい)
花まるグループ スクールFC教務部部長 南浦和校校舎長
1977年生まれ、埼玉県育ち。童話作家であった叔母の影響を受け、幼いころから、読むことも、書くことも好きであった。大学卒業後、ものをつくりだす仕事に憧れ、映像制作の道へと進む。映像制作を学ぶ傍ら、草創期の「スクールFC」にアルバイトとして入社。そこで高濱正伸と出会い、教育の世界の魅力と、花まる学習会の魅力、高濱の人間的魅力を、深く知ることとなった。一度一度はテレビ業界に進み、充実した日々を送るも、自分が一生をかける仕事はやはり教育だと一念発起し、4年後、再びスクールFCの門をたたく。入社後は、抜擢人事で本部校の校舎長を6年間つとめ、現在は教務部長を担当。専門教科は国語。読むため、解くためのポイントを徹底的に言語化・作業化しておこなわれる授業は、論理的かつエネルギッシュ。一度見たら忘れられない風貌もあいまって、何人もの生徒に「読解を解いていると、仁木先生の声が聞こえて解ける」と言わしめるほどである。中学受験・高校受験ともに、国立・御三家志望生も含め、多くの受験生を成功に導いてきた。実績に裏付けられた授業力・進路指導力とあたたかい人柄で、保護者・子どもたちから厚く慕われ続けてきたことは、多くの保護者・生徒たちの声からも、進学塾の激戦地である南浦和において、6年連続会員数が伸び続けてきたことからも、伺い知ることができる。現在も、教材開発の統括を担当しつつ、授業の現場の第一線でバリバリ活躍中。