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加藤 紀子氏 × 藤本 徹氏

「子育てベスト100対談第3回 ゲーム×教育研究のスペシャリストに聞く!ゲームとのつきあい方の極意」

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7月20日(火)加藤 紀子氏×藤本 徹氏「子育てベスト100対談第3回 ゲーム×教育研究のスペシャリストに聞く!ゲームとのつきあい方の極意」と題した対談をZoom配信しました。シリーズ第3回となる今回は、親が頭を悩ませるゲームについてお話し頂きました。
はじめに加藤氏より、子どもたちがゲームを止められない理由として脳内の報酬系と呼ばれる回路をゲームが刺激する効果が高いからであること、子どもにゲームを1時間やめさせたとしても学習時間は数分しか増加しなかったという調査結果が語られました。また、タイマーをセットして時間が来たらゲームを終わらせようとする親が多いが、子どもが機嫌よくゲームを終えられるようにすることが大切と説明しました。そのために、子どもと一緒に遊んでみることで、子どもにとっても気持ちの良い「区切りポイント」を見つけること、ボーナス制度を取り入れて楽しいルールを設定することを提案しました。さらに、ゲーム機やコントローラーを取り上げても、衝突が増えて子どもの問題行動が増加するので、親が子どもに寄り添ってゲームの他にも好きなものを増やすことが大切だと解説しました。
次に藤本氏より、「ゲームの効能」について海外の研究結果を交えて話が展開されました。1つ目は、「心の健康を改善する」。「テトリス」を10分間プレイするとストレス症状が軽減された研究を説明しました。2つ目は「交流を促す」。若者と高齢者がボーリングのゲームを一緒にプレイすると相手の世代全体との交流意識が向上した研究を例にあげました。3つ目は「学びの入り口」。戦略系ゲームであるストラテジーゲームは情報収集力や素早い判断力を強化する効果があること、ホラーゲームはプレッシャーの中で感情をコントロールする経験ができると説明しました。また、「ゲームとの付き合い方ポイント」として、「ゲームデザインの観点」を紹介。チャレンジしがいのあるゴール、楽しさを生み出すルール、意欲を引き出すフィードバック。このゲームの仕組みを活かして生活を見直してみることを提案しました。さらに、「ゲームをしている気持ちに学ぶ」として、ゲームの中では失敗を許容してチャレンジし、仲間と協力して困難に立ち向かっているので、その気持ちを日常生活にも取り入れることを提案しました。
最後に「先に宿題をやってからゲームをするルールを決めたが、早くゲームをやりたいから宿題を雑にしているようだ」「子どもにとって都合がいいルールになってしまっている。それでも子どもの意思を尊重すべきか?」「おすすめのゲームは?」などの質問や悩みについても示唆に富むお答えをいただきました。
ゲームに夢中になっている子どもの姿を見ているとゲームは悪いものと考えがちですが、ゲームの教育効果やメリット、親が積極的に関わる大切さを学ぶことができ、ゲームとの付き合い方について新たなヒントを学べた有意義な時間となりました。


登壇者プロフィール
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加藤 紀子氏(かとう のりこ)
教育ライター
1973年京都市生まれ。1996年東京大学経済学部卒業。国際電信電話(現KDDI)に入社。その後、渡米。帰国後は中学受験、子どものメンタル、子どもの英語教育、海外大学進学、国際バカロレア等、教育分野を中心に「プレジデントFamily」「ReseMom(リセマム)」「NewsPicks」「ダイヤモンドオンライン」などさまざまなメディアで旺盛な取材、執筆を続けている。一男一女の母。このたび、『子育てベスト100』を上梓。高濱 正伸が「画期的な1冊が誕生した。長年の取材で得た情報を、親としての『これは使えるな!』という実感でふるいにかけ、学術研究の裏付けやデータなども確認した上でまとめあげた力作である」と評して話題となっている。

藤本 徹氏(ふじもと とおる)
東京大学大学院情報学環 准教授
専門はゲーム学習論、教育工学。慶應義塾大学環境情報学部卒。ペンシルバニア州立大学大学院博士課程修了。著書に「シリアスゲーム」(東京電機大学出版局)、「ゲームと教育・学習」( 共編著、ミネルヴァ書房)訳書に「テレビゲーム教育論」、「 デジタルゲーム学習」(東京電機大学出版局)、「幸せな未来は「ゲーム」が創る」(早川書房)など。


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