6月9日（水）、中内玲子氏による「シリコンバレー式 今日からできる！子供の才能を120％引き出してあげるヒケツ」の講演会をZoom配信いたしました。
日本で幼稚園教諭をしていた中内氏が渡米したのは、『みんな一緒』という教育理念に疑問を感じ、様々なバックグラウンドを持つ人々が集まるカリフォルニアで幼児教育を学ぶためでした。シリコンバレーでバイリンガル幼稚園を経営してきた経験から、３つに分けてお話し頂きました。（１）レッジョ・アプローチが育てる美意識が大切な理由（２）子どもの意志力を育てる権威的子育てスタイル（３）国際的スキルを育てるアウトプットのすすめ。
（１）のレッジョ・エミリア教育は、グーグルやディズニーの社内保育園が採用している、子どもの主体性を重んじる教育法。イタリアの街・レッジョ・エミリアを訪れた際、美しい園舎に驚いたと言います。教材には本格的な画材が豊富に使われ、活動には色や光をテーマとして子どもの探究心を刺激する工夫がなされていました。「環境は人をつくる」と確信し、自身が経営する幼稚園でも環境を美しく整えていると語りました。また（２）では、カリフォルニア大学バークレー校の発達心理学者、ダイアナ・バウムリンドの研究を挙げ４つの子育てスタイルを紹介。最良なのは、「権威型」と訳される民主的な子育てスタイルだと述べ、子どもの意見を尊重しながら親がルールを定めて子どもに守るよう促す「権威型」は、「専制型」とされる服従を要求する方法とは似て非なるものだと強調。ルールの扱い方について自身の経験から具体的なアメリカでの事例を挙げて説明しました。（３）では社会の多様性と語学学習の方法について語り、バイリンガル教育で実践している指導法を具体的に紹介しました。
質疑応答では思春期の子どもへの対応などに関する質問が寄せられました。広い範囲にわたり分かりやすくお話し頂き、有意義な講演会でした。
登壇者プロフィール
=========================
中内 玲子氏(なかうち れいこ）
Sora International Preschool 創立者
台湾生まれ、日本育ち、アメリカ在住のトリリンガル(日・英・中)。2男1女(11歳、7歳、3歳)の母。3人の子どもたちもトリリンガル。グーグルなどシリコンバレーの企業に勤める親たちから人気の日英バイリンガル幼稚園「Sora International Preschool」創立者。日本で念願の幼稚園教諭になったものの、「みんな一緒」を重視する日本の保育に疑問を抱き、英語も話せない、知人もいない、お金もないまま24歳で渡米。AMIモンテッソーリ国際免許取得。サンフランシスコ州立大学音楽学部を卒業後、モンテッソーリの幼稚園勤務を経て、2007年に自身の理想の教育を実現する教育施設をつくり、2011年にカリフォルニア州認可幼稚園を設立。最先端企業が集まるシリコンバレーの視点をもとに、「自分の才能を伸ばし、国際社会で羽ばたける子」を育てる実践法を提唱。教育事業のアドバイスをするコンサルタントとしても活躍中で、世界中の教育者が互いの思いやアイデアをシェアできる場をつくるために、教育現場を取材する活動を続けている。2020年10月には、自ら実践する幼児教育の真髄を著した『シリコンバレー式 世界一の子育て』（フローラル出版）を出版。Amazon教育カテゴリー3部門で1位を独占(10/15調べ）。発売前重版、韓国・中国からの翻訳版オファーなど、いま国内外で最も注目される教育者の一人となった。2021年2月10日のフジテレビ系情報番組『とくダネ！』では、金子恵美元衆院議員がおススメの本として紹介、話題を呼んだ。
