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辻井 いつ子氏 × 高濱 正伸

「子育てプレミアム対談第8回 『親ばか』のススメ~子どもの才能を引き出す法則とは~」

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4月27日(火)の第8回子育てプレミアム対談では辻井 いつ子氏をお迎えし、「『親ばか』のススメ 〜 子どもの才能を引き出す法則とは」と題して、高濱正伸との対談をZoom配信しました。
辻井氏の長男・伸行氏は、2009年のヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールで日本人初の優勝を果たし、一躍有名になった世界的ピアニストです。本対談では、厳しい音楽の世界でハンディキャップをものともせず、親子二人三脚で歩んだ辻井氏の子育ての経験を基に、子どもの才能を引き出す10個の法則を伺いました。
まず、「子どもの可能性を信じる」という法則では、生後6ヶ月の頃には伸行氏がクラシック音楽が大好きなことを見抜き、1歳半からピアノのレッスンをスタートさせたというエピソードが紹介されました。また、伸行氏自身が「やりたいことは全部やらせてもらった」と振り返るほど、ピアノ以外にも幅広く経験させたといいます。「乗馬やスキー、自転車など、ピアノの先生に怪我をするといけないからと止められたこともありましたが、危ないから何もさせてもらえなかったと思いながら大人になる方がよくない。何でもチャレンジしたらいいと思うんです。」と辻井氏。スキーや自転車で風を感じ、心地良さを知った経験が音楽の深みにもつながっているのだろうと、高濱も深く納得していました。
また、「ネガティブな言葉は使わない」という法則で辻井氏は「小さいときは褒めることが子どもの心の栄養になる。『あなたにはできない』と言われたら子どもの心のシャッターが下りてしまう」と述べ、人と比べずにそのままの我が子を見つめることが大事だと伝えました。
そのほか、「よく観察し、才能の種を発見する」「始めるのに『早すぎる』はない」「思いっきりほめる、抱きしめる」「ネガティブな言葉は使わない」「ファン第1号になる」「ひらめいたら即アクション」「本物にふれさせる」「いい先生を見つける」「明るく、楽しく、あきらめない」といった法則を紹介。
さらに当日は、辻井氏の母(伸行氏の祖母)にも話が及びました。辻井氏は「早くしなさいと言われたことがない」「子どもの前で人の悪口を絶対に言わなかった」「子ども一人で食事をさせない。食卓はみんなで囲むよう教えられた」と振り返り、「傑出した人を育てた母をたどると、祖母にまで行き着くのがすごい」と高濱も終始感心していました。
ご自身の子育てを振り返り「とにかく『生まれてきてよかった』と子ども自身が思える人生を送らせたいという一心だった」と辻井氏。「産まれたときは健康なだけで喜んでいたのに、成長するうちに親は条件付きの愛になりがち。子どもの評価を親自身の評価ととらえてしまう人も多い。子育ては長いようで短い。とにかく親自身も楽しんで、子どもがやりたいことを信じてあげてほしいです」と述べ、子どものそのままの姿を大切にしながら、才能を伸ばそうと覚悟を持って見つめてこられた姿勢が伝わる、学びの多い時間となりました。



登壇者プロフィール
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辻井 いつ子氏(つじい いつこ)
ピアニスト辻井 伸行氏の母
1960年、東京生まれ。東京女学館短大卒業後、フリーのアナウンサーとして活躍。1986年、産婦人科医の辻井孝と結婚。1988年に生まれた長男 伸行氏が生後まもなく全盲とわかり、育児書や子育てマニュアルが全く役に立たないところから、絶望と不安のなか、手探りで子育てをスタートする。「明るく、楽しく、あきらめない」をモットーに、持ち前のポジティブさと行動力で伸行さんを育てる。つねに子どもの可能性を信じ、よく見て、ほめる「親ばか」の子育てで、生後8カ月で伸行の音楽の才能を見つけ、プロのピアニストへと二人三脚で歩む。その結果、2009年6月、アメリカで開催された第13回ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールで、伸行氏は日本人初の優勝を果たす。また、子育てに悩む親御さんが集まって、意見交換をするサイト「辻井いつ子の子育て広場」を開設。自分の経験をもとに各地で講演活動を行う。主な著書に、伸行氏が演奏する10曲が収録されたCDとそれぞれの曲にまつわるエピソードを綴った本がセットになった『今日の風、なに色?CDブック』(アスコム刊)がある。その他、伸行氏が生まれてから12歳までの軌跡を綴った『今日の風、なに色?』、伸行が最年少でショパン・コンクールに挑戦した様子も収録した、13歳~19歳までの物語『のぶカンタービレ!』、自身の経験をもとに子育てのポイントを紹介した『親ばか力~子どもの才能を引き出す10の法則~』(いずれもアスコム刊)がある。
公式サイト「辻井いつ子の子育て広場」http://kosodate-hiroba.net

高濱 正伸(たかはま まさのぶ)
1959年熊本県人吉市生まれ。県立熊本高校卒業後、東京大学へ入学。東京大学農学部卒、同大学院農学系研究科修士課程修了。花まる学習会代表、NPO法人子育て応援隊むぎぐみ理事長。算数オリンピック作問委員。日本棋院理事。
1993年、「この国は自立できない大人を量産している」という問題意識から、「メシが食える大人に育てる」という理念のもと、「作文」「読書」「思考力」「野外体験」を主軸にすえた学習塾「花まる学習会」を設立。1995年には、小学校4年生から中学3年生を対象とした進学塾「スクールFC」を設立。チラシなし、口コミだけで、母親たちが場所探しから会員集めまでしてくれる形で広がり、当初20名だった会員数は、23年目で20000人を超す。また、同会が主催する野外体験企画であるサマースクールや雪国スクールは大変好評で、年間約10000人を引率。
各地で精力的に行っている、保護者などを対象にした講演会の参加者は年間30000人を超え、なかには“追っかけママ”もいるほどの人気ぶり。
障がい児の学習指導や青年期の引きこもりなどの相談も一貫して受け続け、現在は独立した専門のNPO法人「子育て応援隊むぎぐみ」として運営している。
公立学校向けに、10年間さまざまな形での協力をしてきて、2015年4月からは、佐賀県武雄市で官民一体型学校「武雄花まる学園」の運営にかかわり、市内の公立小学校全11校に拡大されることが決定した。
ロングセラー『伸び続ける子が育つお母さんの習慣』ほか、『小3までに育てたい算数脳』『わが子を「メシが食える大人」に育てる』『算数脳パズルなぞぺ~』シリーズ、『メシが食える大人になる!よのなかルールブック』など、著書多数。関連書籍は200冊、総発行部数は約300万部。
「情熱大陸」「カンブリア宮殿」「ソロモン流」など、数多くのメディアに紹介されて大反響。週刊ダイヤモンドの連載を始め、朝日新聞土曜版「be」や雑誌「AERA with Kids」などに多数登場している。
ニュース共有サービス「NewsPicks」のプロピッカー、NHKラジオ第一「らじるラボ」の【どうしたの?~木曜相談室~】コーナーで第2木曜日の相談員を務める。



高濱 正伸
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