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山口 周氏 × 高濱 正伸

【 Education X 〜vol.2〜 】「これからの時代を生き抜く子どもの 『感性の力』を育むためにできること」

こちらの動画は、開始より05分00秒間どなたでもご視聴いただけます。

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11月29日(日)書籍『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』『ニュータイプの時代』の著者、山口 周氏をお迎えして、高濱 正伸との対談【 Education X 〜vol.2〜 】「これからの時代を生き抜く子どもの 『感性の力』を育むためにできること」をZoomにて配信いたしました。
 冒頭30分は山口 周氏による講演。昭和の時代に高く評価されていた「正解を出す」「モノがある」「利便性が高い」等の価値は終わりつつあり、令和の時代に求められるのは「問題を見つける」「意味がある」「情緒がある」等の価値だと、世の中の価値観の変容を語りました。例えば、正解を出す象徴のような電卓は、昭和では高価で貴重なものだったが、現在では100円ショップで売られていても買う人が少ない、エアコンが完備されているのに、情緒や不便さを求めて薪ストーブが人気であるなどの事象を説明しました。そして、多様性や不確実性の高い時代になり、「普通がいい」の「普通」つまり「ノーマル」は存在しないとし、「わがまま」「自分のあるがままを大切にする価値観」が社会や経済を動かしていくとしました。
 高濱からの3人の子どもの親として、「『感性の力』を育むためによいと思うことは何か?」という問いに、山口氏は「スキンシップと子どもの全存在の肯定」と答えます。「あなたが好き。なぜなら、あなただから」というように、成績が良いなどの条件つきではなく、「生まれてきてくれたことで自分の人生は豊かになったよと伝えている」と語りました。
 また、親たちの悩みの種でもあるゲームについては、山口氏自身とことん学生時代にハマった経験があるとした上で、デジタルデトックスの時間を自宅とは別の場所でもつことが大切だとしました。自然を相手にする野外での体験は、人間の脳が作ったゲームや東京の街並みとは異なり、情報量が格段に多く、一期一会に変化するもので、その面白さを子どもに伝えてあげたいと語りました。
 さらに、コロナ禍で美術館に行くことが難しいなか、感性を育むためにできることの具体策として、「世界美術全集」を一緒に眺める、絵画のポストカードでゲームをする、ジェスチャーゲームをする、料理を一緒に作るなどを挙げられます。親子で会話や五感、身体表現を楽しむことが、感性を磨くことにつながると強調しました。
 最後に山口氏が親から受けてありがたかったこととして「弱者に手をさしのべ、共感する態度」「ずるいことをしない姿勢」と語り、自身のお子さんたちにもそれらを折りにふれて伝えているとされ、親から子へと受け継がれていく倫理観、生き方こそが感性の原点である締めくくられました。


山口 周氏(やまぐち しゅう)
独立研究者/著作家/パブリックスピーカー。
株式会社中川政七商店社外取締役/株式会社モバイルファクトリー社外取締役
1970年東京都生まれ。慶應義塾大学文学部哲学科、同大学院文学研究科修士課程修了。電通、BCGなどで戦略策定、文化政策、組織開発等に従事。著書に『ニュータイプの時代』『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』『武器になる哲学』など。

高濱 正伸(たかはま まさのぶ)
1959年熊本県人吉市生まれ。
県立熊本高校卒業後、東京大学へ入学。
東京大学農学部卒、同大学院農学系研究科修士課程修了。
花まる学習会代表、NPO法人子育て応援隊むぎぐみ理事長。
算数オリンピック作問委員。日本棋院理事。

1993年、「この国は自立できない大人を量産している」という問題意識から、「メシが食える大人に育てる」という理念のもと、「作文」「読書」「思考力」「野外体験」を主軸にすえた学習塾「花まる学習会」を設立。1995年には、小学校4年生から中学3年生を対象とした進学塾「スクールFC」を設立。チラシなし、口コミだけで、母親たちが場所探しから会員集めまでしてくれる形で広がり、当初20名だった会員数は、23年目で20000人を超す。また、同会が主催する野外体験企画であるサマースクールや雪国スクールは大変好評で、年間約10000人を引率。
各地で精力的に行っている、保護者などを対象にした講演会の参加者は年間30000人を超え、なかには“追っかけママ”もいるほどの人気ぶり。

障がい児の学習指導や青年期の引きこもりなどの相談も一貫して受け続け、現在は独立した専門のNPO法人「子育て応援隊むぎぐみ」として運営している。

公立学校向けに、10年間さまざまな形での協力をしてきて、2015年4月からは、佐賀県武雄市で官民一体型学校「武雄花まる学園」の運営にかかわり、市内の公立小学校全11校に拡大されることが決定した。
ロングセラー『伸び続ける子が育つお母さんの習慣』ほか、『小3までに育てたい算数脳』『わが子を「メシが食える大人」に育てる』『算数脳パズルなぞぺ~』シリーズ、『メシが食える大人になる!よのなかルールブック』など、著書多数。関連書籍は200冊、総発行部数は約300万部。

「情熱大陸」「カンブリア宮殿」「ソロモン流」など、数多くのメディアに紹介されて大反響。週刊ダイヤモンドの連載を始め、朝日新聞土曜版「be」や雑誌「AERA with Kids」などに多数登場している。
ニュース共有サービス「NewsPicks」のプロピッカー、NHKラジオ第一「らじるラボ」の【どうしたの?~木曜相談室~】コーナーで第2木曜日の相談員を務める。


高濱 正伸
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山口 周氏
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