花まる学習会の代表を務める高濱正伸が、社会の第一線で活躍されているゲストをお呼びして、子どもの頃に好きだったことや、熱中していたことをお聞きする「高濱ナイト」〜スーパーマン100人の『子どもの頃』をテーマに普段は聞けない話を聞く夜〜。
第6回目は、探究学舎代表 宝槻泰伸氏をお迎えし対談を行いました。(以下、敬称略)
お父様の教育方針が、普通の家庭とは桁外れに違ったという宝槻さん。「綺麗に整備された歩道をマジメに通るんじゃなく、獣道を探し当てて生きるのが人生の楽しさだ!」「世の中社長と労働者しかいない。だから、何か情熱を持って事を成す人間になれ!」とかなり型破りな育てられ方をしたそうです。
「その影響もあって、いま長男(自分)と三男は社長をやっていて、母似の次男は、『何かあったときに家族を支えるんだ』と正反対の育ち方をした。でも、結局次男を引き込んで、今は一緒にやっているんですけどね(笑)」と幼少期を振り返りました。
「教育」というテーマに関しては、お父様の影響からか、学生時代から既存の学校制度や、やりたいことが見つからないという今の若者に違和感を感じているとし、「閉塞感のある今の時代を切り拓くために、『好き』や『やってみたい』といった『興味関心』を突きつめていけるような人間を育てていきたい」と熱く語る宝槻さん。
「シリコンバレーで成功したスタートアップの共通項は、リーダーが不良であったということ。勉強は真面目にしなくても、一様に『自分の考えで生きる』。その点、宝槻君はお父さんから良い影響を受けたね」と、高濱も強く共感していました。
ユニークなお父様に育てられた宝槻さんの思わず笑顔になる幼少期のエピソードから、「未来の教育のあるべき姿とは」についてまで、教育界のフロントランナーである二人が熱く語り合った今回。「社会にとって価値あるもの」から、「自分が愛してやまない『好き』をとことん突き詰める」生き方へ。変化の激しい現代、そうした生き方を、社会が、そして親自身が支え育むことこそが教育の未来だと感じさせられました。
登壇者プロフィール
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宝槻 泰伸氏(ほうつき やすのぶ)
探究学舎代表。幼少期から「探究心に火がつけば子どもは自ら学び始める」がモットーの型破りなオヤジの教育を受ける。高校を中退し京大に進学。次男、三男も続き、リアルオヤジギャグ「京大三兄弟」となる。開発期間5年、子ども達が「わあ!すごい!」と驚き感動する世界にたった1つの授業を求めて、北海道から沖縄まで、時にアメリカ・ヨーロッパ・アジアからも親子が集まる。2017年はのべ約2,000人、2018年は年間約3,000人が参加。5児の父。
高濱 正伸(たかはま まさのぶ)
花まる学習会 代表
1959年熊本県人吉市生まれ。県立熊本高校卒業後、東京大学へ入学。東京大学農学部卒、同大学院農学系研究科修士課程修了。算数オリンピック作問委員。2018年7月より、日本棋院理事。
1993年、「この国は自立できない大人を量産している」という問題意識から、「メシが食える大人に育てる」という理念のもと、「作文」「読書」「思考力」「野外体験」を主軸にすえた学習塾「花まる学習会」を設立。1995年には、小学校4年生から中学3年生を対象とした進学塾「スクールFC」を設立。チラシなし、口コミだけで、母親たちが場所探しから会員集めまでしてくれる形で広がり、当初20名だった会員数は、23年目で20000人を超す。また、同会が主催する野外体験企画であるサマースクールや雪国スクールは大変好評で、延べ50000人を引率した実績がある。 各地で精力的に行っている、保護者などを対象にした講演会の参加者は年間30000人を超え、毎回キャンセル待ちが出るほど盛況。なかには“追っかけママ”もいるほどの人気ぶり。 障がい児の学習指導や青年期の引きこもりなどの相談も一貫して受け続け、現在は独立した専門のNPO法人「子育て応援隊むぎぐみ」として運営している。 公立学校向けに、10年間さまざまな形での協力をしてきて、2015年4月からは、佐賀県武雄市で官民一体型学校「武雄花まる学園」の運営にかかわり、市内の公立小学校全11校に拡大されることが決定した。 ロングセラー『伸び続ける子が育つお母さんの習慣』ほか、『小3までに育てたい算数脳』『わが子を「メシが食える大人」に育てる』『算数脳パズルなぞぺー』など、著書多数。 「情熱大陸」「カンブリア宮殿」「ソロモン流」など、数多くのメディアに紹介されて大反響。週刊ダイヤモンドの連載を始め、朝日新聞土曜版「be」や雑誌「AERA with Kids」などに多数登場している。