9月25日(金)「演劇と教育」と題して、花まるグループ 西郡学習道場 代表 西郡文啓によるZoomライブ配信をいたしました。
昨今叫ばれているSTEAM教育。その「A」にあたる「Arts」は教養や芸術を表しているが「感性」の大切さを説いていると西郡。どれだけの美しいものに感動し、体験した喜びが心の中にあるのかが大切だと言います。そして、有名な画家の絵を見て「ピカソはいいな」「マティスは面白い」と言った時に、それは本当に心から自分がそう思えているのか、誰かの意見を借りてきて言っている言葉なのかを素直に顧みるべきとします。「素直さがいちばんの教育の方法」で、自分に嘘をつかずに、「わかっているのか」「自分で考えたのか」「わかったフリをしていないか」を子どもたちに大切にするように指導しきたとしました。そして、感動をより大きく深くするために学びがあるのだと強調しました。
学ぶ姿勢において、いじめにあって心がふさいでいたり、間違ったらどうしようと緊張するなどの身体や心のこわばりは、最大の敵だと語りました。集中して学ぶためには、その下準備として、心身がリラックスしていることが大切。花まる学習会では、その学ぶ土台である心身のリラックスやワクワクする気持ちになる導入をていねいに行う授業設計にし、その指導にあたってきた経緯を説明しました。先生のテンポのよさで子どもは追いついていこうと集中し、音読で大きな声出すことで発散、できた時に「やったー!」と両手をあげる動きで身体をほぐします。授業は即興の芝居そのものであり、子どもを引き付け続けるために、言葉のテンポをズラしてみたり、より集中させるために声のトーンを変化させます。舞台作りには多くの工程があり、その段取りも重要で授業の準備や流れも、まさに段取り勝負。西郡の教育の原点は、自身が演劇の俳優や演出家のプロとして舞台を作り上げる中で学んだお陰だと結びます。
授業で子どもがキラキラと輝く目で集中し、頭の中が躍動する時間にする仕掛けを具体的に開陳した90分となりました。
登壇者プロフィール
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西郡 文啓(にしごおり ふみひろ)
花まるグループ 西郡学習道場代表/花まる学習会 公教育部部長
1958年生まれ。県立熊本高校卒業。高濱とは高校の同級生、以来、小説、絵画、映画、演劇、音楽、哲学等、あらゆるジャンルの芸術、学問を語り合ってきた仲。高濱が花まる学習会を設立時に参加。スクールFCの立ち上げを経て、花まるグループ内に「子ども自身が自分の学習に正面から向き合う場」として西郡学習道場を設立する。2015年度より、「地域おこし協力隊」として、武雄市の小学校に常駐。現在「官民一体型学校」として指定を受けた小学校「武雄花まる学園」にて、学校の先生とともに、小学校の中で花まるメソッドを浸透させていくことに尽力中。
西郡 文啓
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