高濱ナイトは、花まる学習会代表の高濱が 社会の第一線で活躍されているゲストをお呼びして、ゲストの幼少期や現在の活動を掘り下げて「子育て」「教育」をテーマに対談していく企画です。
6月5日(金)、第14回は、文科省副大臣、文科省大臣補佐官を歴任された大学入試改革のキーマンである東京大学教授/慶応義塾大学教授の鈴木 寛氏をお招きいたしました。
「小学校の時は学校にはまらなかった」と鈴木氏。担任の先生との衝突もしばしばだったと言います。母親は、保護者面談で子どもが散々な言われようをしても、その言葉を鵜呑みにせず、担任以外の先生に聞いてまわり、「悪い子どもではなかった」ことを確認してくれたそうです。また仲裁に入った校長先生が、鈴木 寛氏の名前の漢字の入った論語「寛則得衆。寛(おおらか)なれば則(すなわ)ち衆を得」とともに寛大な心で許すよう諫めてくれたと話します。その先生がいなかったら本当にぐれていたかもしれないというエピソードに、高濱も「特別感のある名前にちなんだ言葉を渡せるすごい先生と出会ったんですね」と感嘆していました。
中学受験を経て、灘中学に進学。サッカー部マネージャーを務めます。実力では他校に劣るものの、マネージャーとして様々な戦略を駆使することで、強豪ひしめく神戸市1部リーグでの優勝の立役者となります。オリンピックやサッカー/ラグビーW杯の招致に携わることができた原点には、当時勝つために戦略を立てた経験があると鈴木氏は話します。高濱も「部活動の評価は、その競技の実力の一本軸になりがちだが、このように競技自体がうまくなくても学べることはたくさんあることを伝えたい」と共感しました。
その後大学を卒業して通産省で働いている時に、松下村塾の跡地に行く機会があり、そこで「一人の指導者と一つの塾があれば、どこでも人は育つ」ということに感動したという鈴木氏。その当時、「インターネットが世の中を変える」と思い、新しい時代を創る若者の集まりを作るべく1995年に8人の学生とすずかんゼミを始めたと言います。そこから約1000名の卒業生を輩出し、各分野での大活躍から「平成の松下村塾」と言われるようになりました。新しい時代とは、どういう価値を大事にしているかによって創られていくものなので、哲学を通して自分自身の価値観を醸成していくこと大切さを25年間ずっと伝えていると述べられました。
最後に「本当に保護者が大事」と前置きされ、高濱の「どんな保護者でしょうか?」という問いに、「子どもを信じている人」「楽観的な人」「何とかなるだろうと思える人」とお答えになりました。政治、学問、そして現場とあらゆる側面から教育に携わってきた鈴木氏の力強いお言葉と豊富なエピソードで、学びのあふれる会となりました。
鈴木 寛氏
鈴木寛氏
鈴木 寛氏
鈴木 寛
鈴木寛
鈴木 寛
高濱 正伸
高濱 正伸
高濱正伸