1月25日(水)加藤 紀子氏×DAncing Einstein代表 青砥 瑞人氏による「子育てベスト100対談第16回 最新の脳神経科学から学ぶ 集中力の高め方」と題した講演会をZoom配信致しました。
シリーズ16回目となる今回は、米国大学UCLAを飛び級でご卒業され、脳 × 教育 × ITの掛け合わせで世界初の「NeuroEdTech」という分野を開拓された、応用神経科学者の青砥氏をお招きしました。
「うちの子、集中力がないです。」という保護者の方々から寄せられるご相談に、「集中力は誰もが持っている力で、後天的に高めることができる。」と青砥氏は断言されています。脳神経科学の視点から、子どもの集中力を最大限に育むために親ができることについて教えて頂きました。
まず、集中状態を「入門集中」「記銘集中」「俯瞰集中」「自在集中」の4つのモードに分類して解説。現在の教育は、狭く注意を保持していく「入門集中」や「記銘集中」に偏りがちだが、これからの時代は、視野を広くもち、俯瞰的に全体の情報を処理する「俯瞰集中」や、自由に思考をめぐらせ妄想・想像する「自在集中」にも、意識を向けていく必要があるとしました。
また、脳の神経伝達物質であるドーパミンは、前頭前野に働きかけて集中力を高めてくれる素晴らしい栄養源であると説明されました。脳の働きには”Use it or lose it”(使わなければ失うだけ)という特性があり、「ドーパミンを育むためには、ドーパミンが出ることをたくさんやること!勉強とは関係のない、一見、将来には役に立たなそうな子どもの没頭体験こそ、ドーパミンが多く分泌されるので、保護者は子どもの好奇心を止めないことが大切」としました。
そして、最高の集中力を発揮するためには、心理的安全状態を確保することが欠かせないと強調しました。まず保護者自身が自分をリラックスさせ、心の余裕を持つことが大切。子どもへの期待や予測は、それに満たないとストレスのトリガーになるとして、ストレスを生んでいるのは自分自身であることに気付くことで冷静になり、期待値を調整することができるので、ストレスマネジメントができるようになるとアドバイスしました。
最新の脳神経科学の研究をもとに、子どもの集中力の育み方についてお伝えすることができた、大変貴重な講演会となりました。
登壇者プロフィール
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加藤 紀子氏(かとう のりこ)
教育ライター
1973年京都市生まれ。1996年東京大学経済学部卒業。国際電信電話(現KDDI)に入社。その後、渡米。帰国後は中学受験、子どものメンタル、子どもの英語教育、海外大学進学、国際バカロレア等、教育分野を中心に「プレジデントFamily」「ReseMom(リセマム)」「NewsPicks」「ダイヤモンドオンライン」などさまざまなメディアで旺盛な取材、執筆を続けている。一男一女の母。このたび、『子育てベスト100』を上梓。高濱 正伸が「画期的な1冊が誕生した。長年の取材で得た情報を、親としての『これは使えるな!』という実感でふるいにかけ、学術研究の裏付けやデータなども確認した上でまとめあげた力作である」と評して話題となっている。
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青砥 瑞人氏(あおと みずと)
応用神経科学者/DAncing Einstein 代表
小中高は野球漬け。高校は中退。しかし、脳の不思議さに誘引され米国大学UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)の神経科学学部を飛び級卒業。神経科学を心理学や教育学などとコネクトし、人の理解を深め、その理論を応用、また実際の教育現場や企業とコネクトし、人の成長やWell-beingのヒントを与えられたらと、2014年にDAncing Einsteinを創設。対象は、未就学児童から大手役員まで多様。空間デザイン・アート・健康・スポーツ・文化づくりと、️神経科学の知見を応用し、垣根を超えた活動を展開している。また、AI技術も駆使し、NeuroEdTech/NeuroHRTechという新分野も開拓。同分野にて、いくつもの特許を保有する「ニューロベース発明家」の顔ももつ。近年では、海外や国連関連のイベントでの講演活動に加え、大手企業やNPO、教育機関と連携、提携し、新しい学び方、生き方、文化づくりに携わる。
著書:『HAPPY STRESS ストレスがあなたの脳を進化させる』(SBクリエイティブ)『4 Focus 脳が冴えわたる4つの集中』(KADOKAWA)『BRAIN DRIVEN パフォーマンスが高まる脳の状態とは』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)『最新の脳研究でわかった! 自律する子の育て方』(SBクリエイティブ)など
加藤 紀子氏
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加藤 紀子
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青砥 瑞人氏
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青砥 瑞人
青砥 瑞人
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