12月15日(木)一般社団法人不登校・引きこもり予防協会 理事長 杉浦 孝宣氏と花まる学習会 代表 高濱 正伸と一般社団法人花みち元気塾 代表 藤井 道子による「学びの多様性を考えるシリーズ第2回 幼児期のしつけでひきこもりは9割防げる」と題した対談をZoom配信いたしました。
杉浦氏はご自身が小学3年生で保健室登校、4年生で養護学校に半年間通った経験があります。養護学校ではドリルを使う学び直しをすることで勉強への自信を得て、規則正しい生活を送るようになりました。また、クラスメイトが目を輝かせて元気になっていく姿を間近で見た体験が、今の仕事につながっていると語りました。杉浦氏は中卒浪人の家庭教師や塾・通信制サポート校を作って様々な子どもたちに関わり、中学2年生から10年間引きこもった生徒が公務員として就職できた例を紹介しました。最近の5年間でも、杉浦氏が訪問した引きこもりの生徒のうち9割が学校復帰や就職に成功していると述べました。このことから、「親と一緒に取組むこと」「昼夜逆転の生活を改善して生活リズムを整えること」「自信を取り戻すこと」がひきこもりを改善できるとポイントだと語りました。
高濱は、4歳から9歳までは無償の愛やしつけ、そして、没頭する経験が必要と述べました。特にしつけの面では、朝起きる時間を土日も夏休みも関係なく習慣化することを提案し、生活リズムは重要であると杉浦氏に共感しました。また、高濱は「子どもたちは世界に一人、信用できる人がほしいと思っている。」と居場所や心に焦点をあてることの大切さを述べ、杉浦氏も「1ヶ月でも親と断絶してしまうと、あっという間に半年くらい経ってしまうので、ひきこもりの初期の段階で外の専門家に繋げる必要がある」と、その重要性を説きました。さらに高濱は、子どもだけではなく親も外と繋がり、誰かに相談し、繋がりの中に自分を置き、自分を責めすぎないようにすることが重要と語りました。
杉浦氏はゲームについても言及。ゲームは人との関わりを作る良い面もあるが、画面漬けのになる問題点を解説。高濱は人と関わってアナログの経験総量を上げる方がいいこと、ゲーム中毒になっているなら止める必要があり、親が「ダメ」と言ったら止められる関係性を幼児期から作ることが大事であるとしました。多くの子どもと関わってこられた豊富な経験から、生活リズムを整えることや心に焦点をあてる大切さを学べ、幼児期からのしつけと親の関わりについて考える有意義な時間となりました。
登壇者プロフィール
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杉浦 孝宣氏(すぎうら たかのぶ)
一般社団法人 不登校・引きこもり予防協会理事長
1960年生まれ。小学3年生で保健室登校を経験するも、養護学園に半年間通い克服。カリフォルニア州立大学ロングビーチ校卒業後、不登校や高校中退、ひきこもりの支援活動を37年以上行っている。2020年、新たに「一般社団法人 不登校・引きこもり予防協会」を設立し、AIによる無料での不登校・ひきこもりステージ判定などにも取り組む。著書に『不登校・ひきこもり急増』、『不登校・ひきこもりの9割は治せる』(光文社新書)など。
高濱 正伸(たかはま まさのぶ)
1959年熊本県人吉市生まれ。県立熊本高校卒業後、東京大学へ入学。東京大学農学部卒、同大学院農学系研究科修士課程修了。
1993年「花まる学習会」を設立、会員数は23年目で20,000人を超す。
花まる学習会代表、NPO法人子育て応援隊むぎぐみ理事長。算数オリンピック作問委員。日本棋院理事。ニュース共有サービス「NewsPicks」のプロピッカー。武蔵野美術大学客員教授。環太平洋大学(IPU)特任教授。「情熱大陸」などTV出演多数。
藤井 道子(ふじい みちこ)
花まるグループ (株)Hanamichi familiar 代表/一般社団法人 花みち元気塾 代表理事
栃木県宇都宮市出身。青山学院大学経営学部卒業。花まる学習会講師、教室長を15年続け、2017年に(株)hanamichi familiarを設立、2022年一般社団法人花みち元気塾設立。教育は子どもの持って生まれた良さを認めて信じることがスタートとの理念のもと、幸福感を持って元気に社会に出て行くことを目標にあらゆる年代の子ども達を幅広く受け入れている。歯科医、医師、中学生の男子3人の母親。自分の子育てで経験した多くの失敗と、たくさんの子ども達を見て感じたことを照らし合わせ、子育て、受験、進路、など教育とは何かについて考え続ける。社会貢献として国と市の協働事業にも参入している。
高濱 正伸
高濱 正伸
高濱正伸
高濱 正伸氏
高濱 正伸氏
高濱正伸氏
杉浦孝宣
杉浦 孝宣
杉浦 孝宣
杉浦孝宣氏
杉浦 孝宣氏
杉浦 孝宣氏
藤井道子
藤井 道子
藤井 道子
藤井道子氏
藤井 道子氏
藤井 道子氏