4月19日（火）モンテッソーリ教師 あきえ氏による「モンテッソーリ教育に学ぶ 子どもの自立と自律の助け方」と題した講演をZoom配信いたしました。
公立幼稚園教諭だったあきえ氏。大人主導で子どもを枠にはめる教育になっていることに疑問を感じていました。ご自身の出産後にモンテッソーリ教育に出会い、「みんなが共存できる平和な社会」を目指してモンテッソーリ教師として活動をスタートされました。モンテッソーリ教育では、大人が子どもを支配するのではなく、大人と子どもは同じ「人格ある人間」として対等であり、「環境」を通して子どもの育ちを助けていきます。
「自立」とは、生きていくために必要なことを自分で出来ていること。子どもは自己教育力（自ら育つ力）を持っているので、大人の役割はその力を信じて手伝っていくこと、子どもの発達に合わせて環境を整え続けることであるとしました。自分で「できる」を助ける環境のポイントとして「子どものサイズ・重さ」「子どもの届く場所に置く」「数を制限する」の３つをあげ、子どもが着る洋服を例に説明しました。また、配慮した関わりのポイントとして、「見守る」「大人がやって見せる」「子どもに託す」の３つをあげ、子どもがコップにお茶を注いでこぼしてしまったシーンを例に説明しました。何事にも大人がやってしまう方が早く余計な仕事も増えないが、子どもにとっては試行錯誤や失敗は学びのチャンスであり、自分で出来たことが自信や生きる力につながっていくので、時間のある時にはぜひ子どもにやらせてあげてほしいと強調しました。
一方「自律」とは、自己コントロール力のこと。大人の関わりのポイントとして「一貫した制限を」「大人がモデルとなる」「叱るのではなく伝える」「褒めるのではなく認める」「尊重した関わり」の５つを説明しました。モンテッソーリ教育では叱責は必要ないと考えられている。例えば、図書館で子どもが騒いでしまった時「静かにしなさい！」と叱るのではなく「ここは図書館だから静かにしてね。」と、子どもにしてほしい行動を伝えることが大切としました。また、子どもが描いた絵を持ってきた時には「すごい！」と褒めるのではなく「こんなに大きくマルを描いたんだね！」とその行動や努力、過程を認めて言語化する大切さを説明しました。モンテッソーリ教育では親と子は対等である。お互いを尊重し、お互いの不完全を受容して親子で共に育てばいいとアドバイスしました。そして、自立への旅の主役は子どもであり親はガイド役であること、今の環境や関わりが子どもの「自立」「自律」へと繋がっていくと述べました。
親はついつい「しつけないと！やってあげないと！」と思いがちだが、この講演でモンテッソーリ教育の考え方、自立を促す具体的な環境づくりや声掛けの工夫を学ぶことができました。「自立」と「自律」を意識した子育てをしたいと思えた温かな時間となりました。
登壇者プロフィール
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モンテッソーリ教師 あきえ氏
国際モンテッソーリ教師（AMI） /幼稚園教諭/保育士
幼少期からの夢であった保育職に就くが、大人主導で「個」より「集団」の調和が重視される現実に直面する。自身の出産を経て、我が子をこの世界に迎え入れた時に、「本当に日本の教育はこのままで良いのか」という強い疑問を抱く。 再び教育について学び直す中で、改めてモンテッソーリ教育に出会い、自分の抱えている疑問が紐解かれていくような感覚を覚える。その後、国際モンテッソーリ教師の資格を取得し、これまでの経験と自身の子育てを活かし、子育ての悩みを解決し、その先にいる子どもの幸せに繋げられるよう情報発信を始める。「子どもが尊重される社会をつくる」をミッションに、家庭教育力を底上げするための情報配信やセミナーを通して学ぶ機会を提供している。 また、子どもに関わる人のためのオンラインコミュニティ「Park」を主宰し、大人自身が主体的に学び合い、子どもだけではなく「自分」のことも尊重する機会と仲間に出会える場を提供してい る。
Instagramでは開始4ヶ月で1万フォロワーを達成し、現在のフォロワー数は9.7万人。Voicyでは これまでに350万回以上再生されている「モンテッソーリ子育てラジオ」を放送中。Instagram、Voicyでは今までに述べ2500件以上の子育てに関するお悩み相談に答えてきた。2021年1月に初著書「モンテッソーリ教育が教えてくれた『信じる』子育て」を出版。出版直後から 重版がかかり、現在7刷目（2022年1月現在）。️
