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伊藤 潤

「幸せな受験の下準備〜10歳までに育む勉強より大切な力〜」

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7月8日(木)伊藤 潤による「幸せな受験の下準備〜10歳までに育む勉強より大切な力〜」と題した講演会をZoom配信しました。
 伊藤は、中学受験指導に携わる中で一つの問題意識を抱いていたと言います。子どもによって初めての教材への取り組み態度に大きな差があり、10歳までの過ごし方に何かアプローチできないかと考えていたと話します。その上で、10歳までに育みたいのは、「元気いっぱい勉強できて、目がキラキラ輝いた状態で授業を聞ける」力だと結論づけました。
 そのためには以下の3点が必要だとしました。①やるべきことができる。②勉強が楽しい、得意。③基盤力(読み・書き・計算)。①は学習習慣のことで、勉強を子どもの力でやり遂げられる環境を作ることが大切だとしました。また子どもの頑張りを笑顔で認めることが、子どもにとって大きな力になると強調しました。
 ②については、没頭体験の重要性を語りました。伊藤は、幼児は皆、試行錯誤力を持っており、それを失わせないことが大事だと言います。そのためには、子どもが目を輝かせてやれるものは何かを観察し、没頭している時にはとことんやらせてあげることが必要だとしました。また親自身も自分が楽しむことをし、大人が熱中する姿を見せて欲しいと述べました。
 ③は、まず計算について、計算方法の理解・暗算力・工夫する力・スピード感の育て方を一つずつ解説しました。計算力を身につけることで、算数の勉強時間を圧縮し、試行錯誤の回数を増やせるメリットがあると伝えました。次に読み書き、主に読書と漢字の学習について話しました。読書に関して、図書館の活用法やお薦めの書店などを挙げ、様々な読書体験へのステップを紹介しました。漢字に関しては、分からないものを放っておかない態度が大切だとし、漢字(言葉)が分からないのは、例えるなら電波の悪い状態で受信するようなものだと述べました。
 今回の講演を聞いた後、「こういうやり方が分かった」と安心し、明るい気持ちになってもらいたいという伊藤の思いが伝わる、実践的な学びに満ちた講演会でした。


登壇者プロフィール
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伊藤 潤(いとう じゅん)
花まるグループ スクールFC️ シグマTECH 代表
開成中・麻布中などの最難関ゼミの算数を担当。御三家をはじめとする難関校に多数の教え子を輩出。一方で、中学受験を始める段階での差を少しでもなくすために、花まる学習会の教室長として幼児期の教育現場にも立ち、年中から中3生までの指導に関わっている。中学受験への問題意識から「週2日の通塾、夕ご飯をお家で食べて志望校に合格する」をコンセプトとした、新しいスタイルの中学受験塾シグマTECHを2019年度に立ち上げ、その代表を務めている。1期生13名は、御三家・筑駒・筑附・早慶・駒東・海城などの難関校に多数合格する。
著書:『中学受験を魔界にしない! 合格×親子の幸せを叶える! オンラインを駆使した中学受験2.0』(エッセンシャル出版社)


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