12/13(木)、花まる学習会・スクールFC中学部 公教育部 大塚 剛史(おおつか たけし)による「現代の中学生とはどういう生き物なのか? 中学生という時期の親としての接し方」講演会を開催しました。
世論調査や人材コンサルティングを手掛ける米ギャラップが世界各国の企業を対象に実施した従業員のエンゲージメント(仕事への熱意度)調査によると、日本は「熱意あふれる社員」の割合が6%しかなく、米国の32%と比べて大幅に低く、調査した139カ国中132位と最下位クラス。
2015年の内閣府調査によると、約56万人が「ニート」の該当者。高校生の93%が「大人は大変そう」「楽しそうに見えない」と回答した調査結果をひも解きながら、現在、思春期で大人の入り口にいる中学生が、大人になることへの期待が持てていないこと、受け身の生活をしてしまっている現状をご説明しました。
親は子どもに対して「自分の夢をかなえ」「好きなことができるように」「安定した生活をしてほしい」と願っているけれど、実際には多くのニートや引きこもりを生み、仕事よりもプライベートを優先させたいと望む新入社員が8割というのが、今の日本の若者の現状。
そのような若者が育った背景には、優劣をつけない学校(全員が主役の学芸会や、順位をつけない運動会等)、生徒の進路相談についてあらゆる情報を提供してくれる塾、日々細やかに過保護や過介入をしてしまう家庭があります。それらは、子どもを「考えない」「指示待ち」「受け身」「やらされている感」な若者を量産してきた、とも言えるとのお話に、当日150名を超えるお母様たちは深くうなづいていらっしゃいました。
中学生に対して親がどのように関わるべきか?は、いたってシンプル。「ノータッチ」と「見守る」姿勢で、褒める、認める、受け入れるだけ。この「受け入れる」というのは、平均点以上だから受け入れる、努力をしたから受け入れる、という条件付きの受け入れではなく、生きているだけでOKという姿勢で受け入れることが大切と強調されたのが印象的でした。
登壇者プロフィール
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大塚 剛史(おおつか たけし)
花まる中等部 部長 スクールFC 教務部 副部長
1984 年茨城県生まれ。筑波大学第一学群社会学類卒業。大学時代、主に中学生・高校生の家庭教師を続けてきた経験を通じて、子どもたち自身の考える力、やる気を持って物事を楽しむ力が将来の幸せにつながると痛感。教育の現状に強い問題意識を持つ。株式会社こうゆうの理念に共感し入社。スクールFC「高校受験科」責任者を経て、スクールFC本八幡校校舎長に就任。
子どもたちへの指導にあたるかたわら、年間500 件以上行う保護者面談では「子どもの勉強に親はノータッチであること」を一貫して伝え続けている。現場での指導経験をもとに、小学校高学年と中学生へのアドバイスを得意とし、子どもたちから絶大な信頼を得ている。
大塚 剛史氏
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大塚 剛史
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