2月19日(日)「大人気中学受験マンガ『二月の勝者』に学ぶ受験生の親の関わり方 〜親子で乗り越える中学受験必笑法&最新受験事情」と題し、教育ジャーナリストのおおた としまさ氏とスクールFC代表 松島 伸浩との対談をZoom配信いたしました。
まず、松島から2022年度の最新の受験情報について紹介。そして、翻弄されがちな「偏差値」についての考え方や、カンニングや宿題を写す子どもへの関わり方、やる気になる褒め方など、35年以上中学受験の現場で多くのご家庭に伴走してきた経験から、「受験生の親として気を付けたい子どものリアル」について語りました。
次に塾業界のリアルに迫った著書「勇者たちの中学受験」が話題を呼ぶおおた氏から、「受験生の親に5つの問いかけ」を紹介。「入試本番前日に入試問題を見せてもらえるとしたら?」「中学受験をした子と、しなかった子が大学で同じクラスになったら中学受験は無意味なのか?」という、思わず考え込んでしまうような問いと、「二月の勝者」の事例を交えた両氏ならではの回答を披露。親主体の受験になっていないかを今一度、振り返るきっかけとなりました。
さらに、後半では参加者からの質問にも回答。「子どもが自分から勉強しない。見守ることが大切と言うが、自主的に取り組む日は来るのか?」という、よくあるお悩みに松島は「見守ることと放置は違う。例えば『学校の宿題は夕食の前にしよう』といった基本的な生活のルールを決めて伝えることは必要。」とアドバイス。おおた氏は「『やりなさい』と言う時点で子どもの自主性が発揮される機会を逃している。また、言葉にしなくても親のプレッシャーを感じている場合も多いので注意して。」と述べました。
このほか「焦燥感から、休みなく勉強している。本番までに心も体も追い込まれてしまわないかと不安。」「思春期の反抗的な態度に対する父親の関わり方や、夫婦で意見が合わない場合の対処方法は?」「小6進級を控え、塾のママ友と情報交換しづらくなってきた。受験情報を得るためにどうすればよいか?」といったお悩みにも、両者の長年の経験を踏まえて回答。
「単に買ったら終わりの買い物と違って、受験は過程がとても大事。子どもなりに悩んだり心配したりしている。一生懸命勉強させる前に、環境づくりをしてあげて。」と松島。おおた氏も「中学受験で不安にならない親はいない。試行錯誤し、不安を感じながらも親自身の学びに変えていけたらいいのでは。」と語りました。「親子にとって中学受験をより良い成長の機会にしてほしい。」と揃って語る両氏の本質的な問いの中に、長期的なスパンで子どもに寄り添うためのヒントがあふれた有意義な時間となりました。
登壇者プロフィール
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おおたとしまさ氏
教育ジャーナリスト
「子どもが“パパ〜!”っていつでも抱きついてくれる期間なんてほんの数年。いま、子どもと一緒にいられなかったら一生後悔する。」と株式会社リクルートを脱サラ。独立後、数々の育児・教育誌のデスクや監修を務め、現在は、中学受験をいい経験にする方法、学校・塾の役割、男性の育児、子育て夫婦のパートナーシップ、無駄に叱らないしつけ方、などについて、執筆・講演活動を行う。『勇者たちの中学受験』『ルポ教育虐待』『いま、ここで輝く。』など著書は70冊以上。 講演は、学校や塾の保護者、教員、子育て夫婦、中高生を対象に全国および海外で実施。
松島 伸浩(まつしま のぶひろ)
花まるグループ スクールFC 代表
1963年生まれ、群馬県みどり市出身。現在、スクールFC 代表兼花まるグループ 常務取締役。教員一家に育つも、私教育の世界に飛び込み、大手進学塾で経営幹部として活躍。36歳で自塾を立ち上げ、個人、組織の両面から、「社会に出てから必要とされる『生きる力』を受験学習を通して鍛える方法はないか」を模索する。その後、花まる学習会創立時からの旧知であった高濱 正伸と再会し、花まるグループに入社。教務部長、事業部長を経て現職。のべ10,000件以上の受験相談や教育相談の実績があり、保護者からの絶大な支持を得ている。『中学受験 親のかかわり方大全』『中学受験 物語ですらすら頭に入る よく出る漢字720』(実務教育出版)『算数嫌いな子が好きになる本 小学校6年分のつまずきと教え方がわかる』(カンゼン)など著書多数。
おおた としまさ
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おおた としまさ氏
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松島 伸浩
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