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矢萩 邦彦氏 × 松島 伸浩

「中学受験 多様な力を測るために導入される“新タイプ入試“の最前線」

こちらの動画は、開始より05分00秒間どなたでもご視聴いただけます。

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11月10日(木)矢萩 邦彦氏 × 松島 伸浩による「中学受験 多様な力を測るために導入される“新タイプ入試“の最前線」と題した対談をZoom配信いたしました。
 対談の冒頭で松島は、2020年から始まった大学入試改革の影響で、中学受験でも記述試験が増加傾向にあると述べました。また新タイプの入試についても、公立一貫校の適性検査入試が始まって以来、私立校でも加速度的に思考力や適性検査入試が増えている状況を説明しました。
それを受けて矢萩氏は、AIの登場により、これまでのような知識やスピード、正確さが評価されていた時代から、先行きが不透明で、将来の予測が困難な状態である「VUCA社会」に適応する柔軟性と臨機応変さ、思考力に価値が置かれる時代へと変化したことが背景にあると説明。その上で、最近多くの教育機関で注目されているOECD(経済協力開発機構)による「キー・コンピテンシー(いろいろな国で活躍している人たちが一体どんな力を持っているのか調査したもの)」という新たな能力概念を示しました。その特性は①異質な集団で交流する能力②自律的に活動する能力③相互作用的に道具を用いる能力で、なおかつ思慮深いかどうかだと解説しました。そして新タイプ入試はまさにこれらの能力を問うていると強調しました。
 続いて、思考力を問う様々な中学入試問題を具体的に紹介。いずれも問題の中に考えの導線になるようなヒントがあり、解きながら学べる構造であることを踏まえた上で、解答する際の大切なポイントは、どんな答えであれ「ちゃんと説明できているかどうか。」だと断言されました。「ちゃんと説明できる」とは、前提が提示され、それに論理的整合性があることであり、言い換えれば「自分の思いや感性に気づき、相手に伝わる文章で説明できるか。」だとしました。
 そうした能力を伸ばすためには、家庭では「フラットな目線で子どもと『対話』すること」が重要で、親が知っている答えに誘導しようというものは『対話』ではないと伝えました。子どもからの質問には「解答」ではなく「応答」する意識が大切で、互いに相手へのリスペクトが不可欠だと強く訴えました。
 新タイプ入試は、一貫して相性が大事だという矢萩氏。「傾向と対策」より、「解きたい」「楽しそう」と思える入試問題かどうかが、学校選びの基礎となるということが理解できる、大変有意義な時間となりました。

登壇者プロフィール
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矢萩 邦彦氏(やはぎ くにひこ)
「知窓学舎」塾長/実践教育ジャーナリスト/多摩大学大学院 客員教授/株式会社スタディオアフタモード 代表取締役CEO/株式会社スタディオアフタモード代表取締役CEO。一児の父。
親の強い希望で中学受験をしたものの学校の価値観と合わず不登校になり、学歴主義の教育に強い疑問を抱えて育つ。1995年、阪神淡路大震災の翌日に死者数で賭け事をしている同級生を見てショックを受け、教育者の道を歩み始める。 大手予備校で中学受験の講師として10年以上勤め、2014年「すべての学習に教養と哲学を」をコンセプトに「探究 × 受験」を実践する統合型学習塾「知窓学舎」を創設。教師と生徒が対話する授業、詰め込まない・追い込まない学びにこだわり、「探究型学習」の先駆者として20,000人を超える生徒を直接指導してきた。
受験を通して「学ぶ楽しさ」を発見することを目指して子どもが主体的に学ぶ姿勢をとことんサポートし、ライブパフォーマンスのように即興で流れを編集するユニークな授業は生徒だけでなく親も魅了する。多くの受験生を志望校進学に導き、保護者からの信頼も厚い。新しい教育を実践しようとする教師・学校からの相談も殺到し、多数の教育現場で出張授業、研修、監修顧問、アドバイザーなどを兼務。生徒たちに偏差値や学歴にとらわれない世界の見方を伝えるため、自身の学歴を非公開としている。
「子どもと社会をつなぐことのできる教育者」を理想として幅広く活動し、住まいづくりや旅づくりの研究と監修、シンガーソングライター、カメラマンなどアートの領域から、ロンドンパラリンピック、ソチパラリンピックにジャーナリストとして公式派遣されるなど、一つの専門分野では得にくい視点と技術の越境統合を探究。独自の活動スタイルについて編集工学の提唱者・松岡 正剛氏より「アルスコンビネーター」の称号を受ける。「Yahoo!ニュース」個人オーサー・公式コメンテーター。LEGO® SERIOUS PLAY®メソッドと教材活用トレーニング修了認定ファシリテーター。国家資格キャリアコンサルタント。Learnnet Edge『自由への教養』探究ナビゲーター・カリキュラムマネージャー。常翔学園中学校・高等学校 STEAM特任講師。聖学院中学校・高等学校 学習プログラムデザイナー。文部科学省「マイスター・ハイスクール」伴走支援事業スーパーバイザー。近著に『子どもが「学びたくなる」育て方』(ダイヤモンド社)『新装改訂版 中学受験を考えたときに読む本』(二見書房)『先生、この「問題」教えられますか? 教育改革時代の学びの教科書』(洋泉社)他。

松島 伸浩(まつしま のぶひろ)
花まるグループ スクールFC 代表
1963年生まれ、群馬県みどり市出身。現在、スクールFC 代表兼花まるグループ 常務取締役。教員一家に育つも、私教育の世界に飛び込み、大手進学塾で経営幹部として活躍。36歳で自塾を立ち上げ、個人、組織の両面から、「社会に出てから必要とされる『生きる力』を受験学習を通して鍛える方法はないか」を模索する。その後、花まる学習会創立時からの旧知であった高濱 正伸と再会し、花まるグループに入社。教務部長、事業部長を経て現職。のべ10,000件以上の受験相談や教育相談の実績があり、保護者からの絶大な支持を得ている。『中学受験 親のかかわり方大全』『中学受験 物語ですらすら頭に入る よく出る漢字720』(実務教育出版)『算数嫌いな子が好きになる本 小学校6年分のつまずきと教え方がわかる』(カンゼン)など著書多数。


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