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杉山 文野氏 × 高濱 正伸

「パパになった元女子高生から学ぶ 多様な子どもたちのための『生きづらさ』を乗り越えるヒント 」

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5月24日(火)「パパになった元女子高生から学ぶ、多様な子どもたちのための『生きづらさ』を乗り越えるヒント」と題し、LGBTQムーブメントのリーダーの一人として、多様な社会づくりに向けて活動されている杉山 文野氏をお招きし、高濱正伸との対談をZoom配信いたしました。
 まず前半は、女性の体で誕生し、性自認は男性のトランスジェンダーである杉山氏から、LGBTQをめぐる基本的な定義や、現在の日本の社会状況について分かりやすく説明がありました。国際的なジェンダーギャップ指数が156国のうち120位で、「ジェンダー後進国」だという日本。国会など意思決定の場で男女不平等が生じている一方、LGBTQの人口は5〜8%と言われます。杉山氏は誰にも話せず苦しんだ過去を振り返り「まだLGBTQが遠い存在に感じる方もいると思うが、気付いていないだけで意外と身近なところにいるもの。もしかしたら家族にもいるかもしれない。」とし、「良い悪いという話ではなく、『同性に興味がある人もいるのだよ』と、多様な人がいるという事実だけでいいので、幼い頃から話しておくことが、自殺やいじめの被害者にも加害者にもさせないために大切」と伝えました。
 次に、後半の対談では、現在、パートナーと2人の子どもの子育てに奮闘中という杉山氏は「親だからこその感情というのももちろんある。子どもがLGBTQだと知ると『私の育て方が悪かったのかも』と親は考えてしまうが、それは違う。」と話し、「大切な人にアイデンティティを否定されるのはものすごく辛いこと。子どもに限らず、もしカミングアウトされたら『話してくれてありがとう』『なんでも話してね』『間違えていることがあれば言ってね』とまず言ってあげてほしい。」と伝えた。高濱は「小学生たちと接すると、大人よりも柔軟に受け入れられているのを感じる。杉山氏たちの動きで、確実に社会が変わってきているし、応援しなければならない。結婚制度も含め、新しい形のロールモデルを子どもに伝えることで当事者が楽になれる。」と賛同しました。
「LGBTQに限らず、障がい者や高齢者など、とにかく色んな場に行かせて、多様な人と交わる体験を子どもにさせることが大事」と口をそろえた両氏。LGBTQに関する今後の学校教育のあり方や、親としての心構えなど、「分かったつもり」になっていたことが多いことに気付き、ゼロベースで子どもと一緒に学び直していきたいと思える貴重な時間となりました。

登壇者プロフィール
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杉山 文野氏(すぎやま ふみの)
株式会社ニューキャンバス代表
1981年東京都新宿区生まれ。フェンシング元女子日本代表。
早稲田大学大学院にてジェンダー・セクシュアリティを中心に研究した後、その研究内容とトランスジェンダーである自身の体験を織り交ぜた『ダブルハッピネス』を講談社より出版。卒業後、2年間のバックパッカー生活で世界約50カ国+南極を巡り、現地で様々な社会問題と向き合う。帰国後、一般企業に3年ほど勤め、現在は「違いを知り、違いを楽しむ場をつくる」をテーマに、LGBTQの啓発を中心とした飲食店の経営やイベントの運営、全国各地で年間100本を超える講演会やメディア出演など活動は多義にわたる。日本初となる渋谷区・同性パートナーシップ制度制定に関わり、現在は日本フェンシング協会理事、日本オリンピック委員会理事なども兼任。
パートナーとの間に二児をもうけ、精子提供者である友人と共に3人親として子育てを行う、新しいファミリーのスタイルも話題となった。「元女子高生、パパになる」(文藝春秋)「3人で親になってみた ママとパパ、ときどきゴンちゃん」(毎日新聞出版)など

高濱 正伸(たかはま まさのぶ)
1959年熊本県人吉市生まれ。
県立熊本高校卒業後、東京大学へ入学。
東京大学農学部卒、同大学院農学系研究科修士課程修了。
花まる学習会代表、NPO法人子育て応援隊むぎぐみ理事長。
算数オリンピック作問委員。日本棋院理事。

1993年、「この国は自立できない大人を量産している」という問題意識から、「メシが食える大人に育てる」という理念のもと、「作文」「読書」「思考力」「野外体験」を主軸にすえた学習塾「花まる学習会」を設立。1995年には、小学校4年生から中学3年生を対象とした進学塾「スクールFC」を設立。チラシなし、口コミだけで、母親たちが場所探しから会員集めまでしてくれる形で広がり、当初20名だった会員数は、23年目で20000人を超す。また、同会が主催する野外体験企画であるサマースクールや雪国スクールは大変好評で、年間約10000人を引率。
各地で精力的に行っている、保護者などを対象にした講演会の参加者は年間30000人を超え、なかには“追っかけママ”もいるほどの人気ぶり。

障がい児の学習指導や青年期の引きこもりなどの相談も一貫して受け続け、現在は独立した専門のNPO法人「子育て応援隊むぎぐみ」として運営している。

公立学校向けに、10年間さまざまな形での協力をしてきて、2015年4月からは、佐賀県武雄市で官民一体型学校「武雄花まる学園」の運営にかかわり、市内の公立小学校全11校に拡大されることが決定した。
ロングセラー『伸び続ける子が育つお母さんの習慣』ほか、『小3までに育てたい算数脳』『わが子を「メシが食える大人」に育てる』『算数脳パズルなぞぺ~』シリーズ、『メシが食える大人になる!よのなかルールブック』など、著書多数。関連書籍は200冊、総発行部数は約300万部。

「情熱大陸」「カンブリア宮殿」「ソロモン流」など、数多くのメディアに紹介されて大反響。週刊ダイヤモンドの連載を始め、朝日新聞土曜版「be」や雑誌「AERA with Kids」などに多数登場している。
ニュース共有サービス「NewsPicks」のプロピッカー、NHKラジオ第一「らじるラボ」の【どうしたの?~木曜相談室~】コーナーで第2木曜日の相談員を務める。



杉山 文野氏
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