花まる学習会の代表を務める高濱 正伸が、社会の第一線で活躍されているゲストをお呼びして、子どもの頃に好きだったことや、熱中していたことをお聞きし、子育てのヒントを得る「高濱ナイト」。
3/13(金)に行われた第11回目は、世界陸上選手権の2大会で銅メダルを獲得し、オリンピックにも三度連続出場を果たした元陸上選手の為末 大氏をお招きして対談を行いました。 (以下、敬称略)
お姉さんと妹さんのいる3人兄弟の真ん中として生まれた為末さん。お母様は普段から為末さんの行動に対して「そんなことできるんだね」と感心される方で、為末さんが走っている姿にいつも「すごいね」と言ってくれていたそうです。 そんなお母様の影響もあり、小さい頃から走るのが好きで、他の子とは群を抜いて速かったという為末さんですが、高校時代に転機があったといいます。それは、負けたくない後輩に短距離走で負けてしまったこと。為末さんは、「結局100m走では勝てなくて、400mハードルにした。4番エースともいえる短距離とは違う方向に行って勝つんだ、と選んだことは、自分にとって大きかった。色んな道があるんだ、というのは学びだった」と語られました。
また、小さい頃の「本の経験」もとても大きかったと為末さんは語ります。国語の教科書は、最初に全部読み切ってしまうほど。ご家族の影響で当時から「ことば」への感心は強かったと語られ、そのエピソードとして「小学生の頃『人間』というテーマの作文を書いた。原爆の話で、全部おなじ人間なんだ、という趣旨だった。そういう言葉の機微を大事にしていたし、人間への関心もあった。」と、為末さんならではの子ども時代を振り返られました。
最後に、為末さんご自身の子育てについても言及。「自分がやりたいこととして、子どもと接するようにしようと、心がけている。子どもに期待するのではなく、一緒にいたいときにいればいい」と語られ、まさに「ありのまま」の為末さんの、飾らない生き方が強く響く会となりました。
登壇者プロフィール
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為末 大氏(ためす えだい)
元陸上選手 Deportare Partners代表
1978年広島県生まれ。スプリント種目の世界大会で日本人として初のメダル獲得者。 男子400メートルハードルの日本記録保持者(2019年12月現在)。 現在は、Sports×Technologyに関するプロジェクトを行う株式会社Deportare Partnersの代表を務める。 新豊洲Brilliaランニングスタジアム館長。主な著作に『走る哲学』、『諦める力』など。
高濱 正伸(たかはま まさのぶ)
花まる学習会 代表
1959年熊本県人吉市生まれ。県立熊本高校卒業後、東京大学へ入学。東京大学農学部卒、同大学院農学系研究科修士課程修了。算数オリンピック作問委員。2018年7月より、日本棋院理事。
1993年、「この国は自立できない大人を量産している」という問題意識から、「メシが食える大人に育てる」という理念のもと、「作文」「読書」「思考力」「野外体験」を主軸にすえた学習塾「花まる学習会」を設立。1995年には、小学校4年生から中学3年生を対象とした進学塾「スクールFC」を設立。チラシなし、口コミだけで、母親たちが場所探しから会員集めまでしてくれる形で広がり、当初20名だった会員数は、23年目で20000人を超す。また、同会が主催する野外体験企画であるサマースクールや雪国スクールは大変好評で、延べ50000人を引率した実績がある。 各地で精力的に行っている、保護者などを対象にした講演会の参加者は年間30000人を超え、毎回キャンセル待ちが出るほど盛況。なかには“追っかけママ”もいるほどの人気ぶり。 障がい児の学習指導や青年期の引きこもりなどの相談も一貫して受け続け、現在は独立した専門のNPO法人「子育て応援隊むぎぐみ」として運営している。 公立学校向けに、10年間さまざまな形での協力をしてきて、2015年4月からは、佐賀県武雄市で官民一体型学校「武雄花まる学園」の運営にかかわり、市内の公立小学校全11校に拡大されることが決定した。 ロングセラー『伸び続ける子が育つお母さんの習慣』ほか、『小3までに育てたい算数脳』『わが子を「メシが食える大人」に育てる』『算数脳パズルなぞぺー』など、著書多数。 「情熱大陸」「カンブリア宮殿」「ソロモン流」など、数多くのメディアに紹介されて大反響。週刊ダイヤモンドの連載を始め、朝日新聞土曜版「be」や雑誌「AERA with Kids」などに多数登場している。
高濱 正伸
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為末大
為末 大
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