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高濱 正伸

「【シリーズ】子どもの実力を伸ばす具体策(7) 一人っ子の育て方」Part1

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11/12(火)、『【シリーズ】子どもの実力を伸ばす具体策 (7)一人っ子の育て方』と題し、花まる学習会 代表の高濱正伸による講演会を開催しました。

「つい先日、親の学びを支援している現場経験の豊かな先生が、『一人っ子でも、特に男の子の方が問題が多い』とこぼしているのを聞いたが、本当にそうなのか?わたしは、一人っ子にも良い面がたくさんあると感じている」と高濱は言います。

冒頭では、一人っ子にありがちな、「わがまま」「競争心がない」などの『一人っ子あるある』を紹介。今回の参加者はやはり一人っ子のお母様が多く、みなさん苦笑しながら頷かれる場面も。対して「お母さんの愛情を一身に受けているからこそ、わがままな傾向がある代わりに芯がポジティブだったり、競争心が無いからこそずる賢さが無いなど、良い面がたくさんあることも強調しました。

一人っ子の子育てのキーワードは「人間力」だと高濱は言います。そして、その良い面を開花させるには、サマースクールなどで一人旅をさせて、大勢の他の子ども達と一緒に食事を共にする、疑似兄弟の感覚を味わう、もめごとを乗り越えるなどの体験を重ねるなどがとても効果的なのだそうです。また、そういう環境で年下の子に優しくしたり、助けてあげるという経験をすることが、自己効力感を養う良い機会になると言います。

後半では、過去に高濱が関わった一人っ子の女の子とそのお母さんのストーリーを紹介。その子は、中学2年生の時に学校でいじめにあってしまったそうです。そして、そのいじめの原因は、実はお母さんのコンプレックスが引き起こしたものであったのだそう。また盗癖のある小1男子の話では、母親の「正しい子育てをしなければ」という強迫観念による虐待が、その子に万引きをさせた要因であったということです。母子の関係が密になり易い一人っ子ならではのストーリーに、会場は静まり返りました。

一方で、高濱が「理想的な育ち方をしている」と感じたご家族のエピソードも。その方は既に社会人になっているそうですが、小学生の時、母親に「お母さんはどんな人?」と聞いた時のことを高濱に話してくれたそうです。その質問に対し、その時の母親の答えは「何も取り柄はないけど、強いて言うならパパと結婚したことかな?」と。「こういう言葉を素直に言えるお母さんに育てられた子は、間違いなく同じ様に素直で素敵な人に育つ」と、最後にとても心温まるエピソードで締めくくりました。

一人っ子の家庭だからこその問題や、その対処の仕方について丁寧に語られた今回の講演会。とかく密になり過ぎる母子のつながりの中で、一人っ子を持つお母さんの子育てに対する重要な視点を教えられた90分でした。

登壇者プロフィール
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高濱 正伸(たかはま まさのぶ)
1959年熊本県人吉市生まれ。
県立熊本高校卒業後、東京大学へ入学。
東京大学農学部卒、同大学院農学系研究科修士課程修了。
算数オリンピック作問委員。2018年7月より、日本棋院理事。

1993年、「この国は自立できない大人を量産している」という問題意識から、「メシが食える大人に育てる」という理念のもと、「作文」「読書」「思考力」「野外体験」を主軸にすえた学習塾「花まる学習会」を設立。1995年には、小学校4年生から中学3年生を対象とした進学塾「スクールFC」を設立。チラシなし、口コミだけで、母親たちが場所探しから会員集めまでしてくれる形で広がり、当初20名だった会員数は、23年目で20000人を超す。また、同会が主催する野外体験企画であるサマースクールや雪国スクールは大変好評で、延べ50000人を引率した実績がある。
各地で精力的に行っている、保護者などを対象にした講演会の参加者は年間30000人を超え、毎回キャンセル待ちが出るほど盛況。なかには“追っかけママ”もいるほどの人気ぶり。
障がい児の学習指導や青年期の引きこもりなどの相談も一貫して受け続け、現在は独立した専門のNPO法人「子育て応援隊むぎぐみ」として運営している。
公立学校向けに、10年間さまざまな形での協力をしてきて、2015年4月からは、佐賀県武雄市で官民一体型学校「武雄花まる学園」の運営にかかわり、市内の公立小学校全11校に拡大されることが決定した。
ロングセラー『伸び続ける子が育つお母さんの習慣』ほか、『小3までに育てたい算数脳』『わが子を「メシが食える大人」に育てる』『算数脳パズルなぞぺー』など、著書多数。
「情熱大陸」「カンブリア宮殿」「ソロモン流」など、数多くのメディアに紹介されて大反響。週刊ダイヤモンドの連載を始め、朝日新聞土曜版「be」や雑誌「AERA with Kids」などに多数登場している。

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